ドラスティックな収益重視の経営で「カリスマ」に
ある流通関係者は「原田マック」の凋落について、「消費者の嗜好を把握しきれなかった」と評する。顧客の好みを即座にとらえて、最適に商品を入れ換えて迅速に対応するコンビニを上回る戦略が描けなかったというわけだ。
一方、経営コンサルタントの大関暁夫氏は「経営の根本的な問題」と指摘する。
原田流の経営は米国流の合理的な経営だ。「顧客との接点である現場(店舗)を重視した(前社長の)藤田氏の日本の家族的な経営を一変させ、ドラスティックな、合理的な考え方の米国流の経営を浸透させたことで注目されました。コストを抑え、収益につながらないサービスは顧客に好評であっても削る。コストを削って『100円マック』で売り上げを伸ばしたのだから、収益は上向きます。それによって、さらに注目度が増す。そうやってカリスマに祭りあげられたが、じつはそれまで築いてきた顧客との関係まで捨ててしまっていた」と厳しくみている。
その証しが、レジカウンターからメニューをなくしてしまったり、時間内に商品を渡せなかったらサービス券を配ったりといった、「何をやりたいのか、よくわからない」サービス。それは、ひょっとして顧客との接点を再構築しようとしていたのかもしれない。