折りたたみ自転車のフレーム折れ「大けが」 訴訟提起で以前の「内部告発」書き込みが再びクローズアップ

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   折りたたみ式マウンテンバイクのフレームが突然折れて重傷を負った男性がメーカーに賠償を求める訴えを起こしていると、毎日新聞が2015年3月1日配信記事で報じた。

   男性が使用していたのは、東大阪市のメーカー「ビーズ」が製造・販売している「ドッペルギャンガー」ブランドのもので、リーズナブルな価格や軽量性、デザイン性などから人気を集めている。このブランド名を聞き、インターネット上では1年前に投稿されたある書き込みが掘り返され、ちょっとした騒ぎになった。

メーカーは当時から「悪意ある第三者による誹謗中傷」と否定

フレームが突然折れて重傷に(画像はイメージ)
フレームが突然折れて重傷に(画像はイメージ)

   毎日新聞の報道によると、事故が起きたのは13年6月。大阪府堺市の男性(27)が中国で製造された同ブランドの自転車に乗っていたところ、前輪と後輪をつなぐフレーム部分(トップチューブ)が突然折れて転倒した。顔面を地面に強く打ち、歯8本が折れたり欠けたりしたという。男性はメーカーに約1100万円の賠償を求める訴えを大阪地裁に起こし、現在係争中とのことだ。ビーズは製品に問題があったことを認める一方、賠償額を争う姿勢を示しているそうだ。

   報道後、インターネット上はにわかにざわついた。約1年前、ビーズの社員を名乗る人物が2ちゃんねる上で「内部告発」した事故内容と似通っていたためだ。

   同社社員を名乗る人物は14年2月、

「うちの会社で出してる折り畳み自転車の折り畳む部分が走行中折れてスピード出てたらしく路肩で転倒&大破し、そのまま車にぶつかり救急搬送」「被害者は結婚式3ヶ月前の新郎で顔面ぐっちゃで整形手術が必要で歯は殆ど折れてたらしい」「結局、相手とどういう話し合いがあったかは上司以上の人間しか知らないんだけど無かったことにした」

などと真偽不明の情報を書き込み、ビーズ製品の品質に問題があることを指摘した。

   書き込みから3日後、ビーズは公式サイト上で反論。書き込みは社員および元社員によるものではなく「悪意ある第三者による誹謗中傷」と説明した。さらに約1週間後には「複数の情況証拠が揃ったことから被疑者の特定に至った」「刑事・民事の断固たる責任追及の準備を進めている」などと追加情報を公表し、改めて全否定していた。

書き込み内容は「別物」「事故報告受けていない」

   内部告発騒動はこの時に収束したとみられたが、今回の報道により再び注目を集めることとなった。報道と書き込み内容を比較すると、後者の方が大げさではあるもののフレーム破損や歯が折れた話は共通する。また、男性が結婚式前だった点については、毎日記事にも「男性は約3週間後に結婚式を控えていた」とあり、時期にズレはあるが、似通っている部分ではある。

   そのためネット上には、以前の騒動を知る人々らから「これは例の内部告発がデマじゃなかったってことだね」「内部告発ってやっぱガチだったんだね」「図らずも事実である事を証明してしまったな...」と同一視する声がいくつも上がっている。

   ビーズの担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、報じられている事故については、当時、消費生活用製品安全法に基づいて消費者庁に速やかに報告したと説明し、隠蔽説を改めて否定した。その上で、書き込み内容と本件が似通っているという指摘については、

「書き込みは弊社社員や元社員を詐称した第3者によるもの。たとえば、事故に関する公表内容は誰でも知り得る情報であるため、書き込みの一部にそうした事実が含まれていた可能性はありますが...。本件とは別物です」

としている。ちなみに同社は14年2月時点でも公式サイト上で「書き込みがあった内容について、弊社では事故報告を受けておりません」とコメントしている。

   同モデルの自転車はすでに販売を終了しているが、回収は行わないという。「事故後、第三者機関による強度テストを改めて行うなどした結果、安全性には問題ないと確認できました」(担当者)というのが理由だ。なお、同社ではネット上の声などを受けてか、3月2日午後に報道に関する見解を公式サイトに掲載した。

   自転車のフレーム破損の例は他メーカーでも見受けられ、製品起因とみられる事故も少なくない。一方で使用者の心がけで防げる可能性のある事故も多くあり、経済産業省や消費者庁は消費者への注意喚起を行うよう関係団体等に協力をあおいでいる。

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