海保が在京各社に県紙の紙面見せ「誤報」と指摘?
沖縄タイムスの記事内容と政府側の言い分が完全に食い違っているケースは、他にもある。2月21日には1面トップの次に大きい扱いで、辺野古沖の海上警備について、海上保安庁が2月17日から18日にかけて、
「全国紙やテレビ各局など在京メディアに、過剰警備を伝える沖縄タイムス、琉球新報の地元2紙の紙面を見せ『誤報』と指摘していたことが分かった」
と伝えている。その背景について、記事では、
「『過剰』との批判が上がる海上警備報道が全国的に広がるのを避け、(編注:2月18日に行われた)長官会見の直前に各社へ説明することで開会中の国会などで警備に関する追及をかわし、『適切な対処』をアピールする狙いがあったとみられる。政府機関が一部報道を示し、報道各社に個別説明会を開くのは極めて異例」
と解説している。
だが、海保の政策評価広報室はJ-CASTニュースの取材に対して、
「『誤報』だとは指摘していない」
「問い合わせを受けたので、事実関係を個別に説明しただけ」
などと反論。いわば、「聞かれてもいないのに、勝手に説明しにいった」といった事実はないと説明している訳だ。海保の説明が正しいとすれば、海保は一般的な取材対応をしたに過ぎないことになり、沖縄タイムス記事の「極めて異例」という指摘は当たらないことになる。
一連の記事について、(1)海保の反論を踏まえても2月21日の記事の「報道各社に個別説明会を開くのは極めて異例」という認識に変化はないか(2)2月27日の記事がウェブサイトから削除された経緯(3)2月27日の記事について菅氏に反論する記事か訂正記事を出す予定があるか、について取材を申し込んだが、沖縄タイムス編集局は
「本紙は当該記事において、信頼できる情報に基づいて記事化しております」
とのみ文書で回答を寄せた。