小学生のイラストをデザインした銀座線新型電車 「幻の駅」として知られる旧新橋駅ホームに到着

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   東京メトロは2015年3月1日から、小学生が描いたイラストをデザインした電車を銀座線に登場させた。入選者34人が東京・中野の中野車両基地で行われた表彰式に招待され、そのまま自らの作品が描かれた電車に乗車。記念運行を楽しんだ。

   電車は車両基地から丸ノ内線を通って銀座線に入り、「幻の駅」としても知られる旧新橋駅ホームまで約30分をかけて走った。車内ではクイズ大会などが行われ、普段は乗ることができないルートに入賞者は大興奮だった。

「わたしたちの『もっとうれしい東京』」テーマに募集

入賞者はラッピング電車を背に記念撮影。5月末まで運行される
入賞者はラッピング電車を背に記念撮影。5月末まで運行される

   コンテストは、14年秋に東京メトロ発足10周年を記念して「わたしたちの『もっとうれしい東京』」をテーマに行われ、全国の小学生から912作品の応募があった。銀座線には全部で38編成の電車が活躍しており、そのうち1編成をラッピング電車にした。12年にお目見えした新型電車「1000系」のラッピング電車が定期運行されるのは初めて。

   銀座線の車両は6両編成。ラッピング電車では、1両目と6両目にグランプリ2人、2~5両目に準グランプリ4人の作品が彩られた。車内には「中吊り」の代わりに、計34の入選作が展示されている。

   赤坂見附駅の近くには、銀座線と丸ノ内線を結ぶ線路が設けられている。この線路を使って銀座線の車両を丸ノ内線経由で中野車両基地まで回送し、検査を行うことができる。だが、このルートを乗客が乗せた電車を通るのは珍しい。東京メトロによると、銀座線の電車が乗客を乗せて丸ノ内線を走るのは13年10月のイベント電車以来。

丸ノ内線を通って赤坂見附から銀座線に入り、「幻」の旧新橋駅に着く

電車は「幻の駅」として知られる旧新橋駅まで走った
電車は「幻の駅」として知られる旧新橋駅まで走った

   電車は丸ノ内線の中野坂上、新宿、四ツ谷、赤坂見附を経て、連絡線経由で銀座線に入り、「幻の駅」としても知られる旧新橋駅ホームまで約30分をかけて走った。丸ノ内線ホームの乗客は、見慣れない電車が通過していく様子を驚いた様子で見守っていた。

   「幻の駅」こと旧新橋駅は、「知る人ぞ知る」存在だ。東京メトロの前身にあたる帝都高速度交通営団(営団地下鉄)は「東京地下鉄道」「東京高速鉄道」の2社が合併して発足した。この2社はそれぞれ浅草~新橋、新橋~渋谷を走っており、かつては地下鉄の新橋駅が2つ存在した。両社の相互乗り入れが始まった1939年、新橋駅は東京地下鉄道の駅に一本化され、使われなくなった東京高速鉄道の駅が「幻」になったという訳だ。

   ラッピング電車は創立10周年記念ヘッドマークをつけて5月31日まで3か月間にわたって運行される。

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