「血中コレステロールを上げる食品」には要注意
実はコレステロールは体内で合成できる。先述の「基準」によると、食事性のコレステロールは、体内で作られるものの3分の1から7分の1を占めるに過ぎない。さらに、「コレステロールを多く摂取すると肝臓でのコレステロール合成は減少し、逆に少なく摂取するとコレステロール合成は増加し、末梢への補給が一定に保たれるようにフィードバック機構が働く」というのだ。そのうえで、
「このため、コレステロール摂取量が直接血中総コレステロール値に反映されるわけではない」
と結論づけられている。
ただし、コレステロールを「多く含む」食品ではなく、「血中コレステロールを上げる」もの、具体的には飽和脂肪酸には注意が必要だ。2015年2月20日付のAFP通信の記事によると、米国の2010年版食生活の指針では、飽和脂肪からのカロリー摂取制限量は1日当たりの全カロリー摂取量の10%と示されていたが、今回の報告書では8%に下げられていたという。
厚労省もウェブサイトで、脂身の多い肉や即席めん、ポテトチップスなどを「血中コレステロールを上げる食品」として、注意を促している。ポテトチップスは「食品としては全くコレステロールを含んでいない」そうだ。