古賀茂明氏がオレンジの服着て口ふさがれる マッド・アマノ氏作品は「不謹慎」なのか

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   風刺作品を発表し続けているマッド・アマノ氏の新作をめぐり、議論が起こっている。新作は、メディアの中に政府批判への自粛ムードが広がることに警鐘を鳴らすのが狙いで、元経済産業省キャリア官僚の古賀茂明氏が過激派組織「イスラム国」の人質を思わせるオレンジの服を着て口をふさがれている状態を表現している。

   この新作を精神科医の香山リカ氏がツイッターで広く紹介したところ、「悪趣味」「不謹慎」といった声が続出。香山氏は「今さら『不謹慎ではないか』と評する人たちがいてちょっと驚く」などと反論している。

小泉政権時代に自民党から「通告書」が送られてきた

新作を手にするマッド・アマノ氏。オレンジ色の服を着た古賀氏が口をふさがれている
新作を手にするマッド・アマノ氏。オレンジ色の服を着た古賀氏が口をふさがれている

   アマノ氏の新作は2015年2月25日の東京・有楽町の日本外国特派員協会で開かれた会見でお披露目された。アマノ氏は小泉政権時代の04年、自民党の参院選のポスターのスローガン「この国を想いこの国を創る」を「あの米国を想いこの属国を創る」と書き換えて皮肉った作品を発表。これに対して自民党は幹事長名で「通告書」を内容証明で送ってきたという経緯がある。当時の幹事長が安倍晋三氏だった。

   こういったことを念頭に、アマノ氏は会見で、

「日本の総理大臣は風刺が大嫌い」

などと批判した。

   新作では、古賀氏が4月以降はテレビ朝日の「報道ステーション」に出演しない見通しになったことをモチーフにしている。アマノ氏は、その狙いをこう説明した。

「I am not Abeということを、古賀さんが公の場で(編注:報道ステーションで)言ったことが、今大問題になっている。この作品はご覧になってお分かりのとおり、右側の黒い男は、ここに『ABE』って入っている。(安倍首相の)顔を出すとまた通告書をもらってしまうので、顔は出さなかったが、これはご覧のとおり、古賀さんが人質になったような感じに仕上げた。しかも、口のところにはガムテープが張られている。これは絶対に許してはならないこと」

古賀氏がアマノ氏の作品に好意的かは不明

   会見終了直後に、香山氏が、

「会見終えた古賀さん、中沢けいさんと。私の手にはマッド・アマノ氏の新作」

という説明つきで3人の写真をツイートした。写真は特派員協会内のレストランで撮影されたようだ。

   このツイートをきっかけに作品の存在が広く知られるようになったが、否定的な声も少なくないようだ。

「悪趣味な新作だ。反吐が出る」

というツイッター上の声には、香山氏は

「そ?」

と返信。他には、

「連続公開殺人事件をマンガのネタにして、安倍さんをテロリスト役にすれば多くの国民が香山さんたちの活動に注目しますね」

といった批判もあったが、香山氏は、

「マッド・アマノ氏の作品を今さら『不謹慎ではないか』と評する人たちがいてちょっと驚く」

などと反論していた。

   ただ、アマノ氏の作品を古賀氏が好意的に受け止めているとは限らない。会見の檀上でアマノ氏が突然新作を披露した際は、古賀氏は驚いた様子だった。それに加えて、J-CASTニュース記者は会見直後、古賀氏がアマノ氏の新作を手に持った状態で写真を撮りたいと申し出たが、やんわりと断られた。

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