慰安婦像設置は「政府の立場とまったく相容れず、きわめて残念」
まず、米国での慰安婦像や記念碑の設置を
「我が国政府の立場やこれまでの取り組みとまったく相容れないものであって、きわめて残念なことと受け止めている。現地の在留邦人の方も、おそらく同じ思いで訴訟に踏み切ったのだと思う」
などと非難。米国社会を
「多様な民族、文化的バックグラウンドを持った住民の方々が平和と調和の中で共生する社会」
だと表現し、それと対比する形で慰安婦像の設置に重ねて違和感を示した。
「市民生活の中に、慰安婦をめぐるような出身国間によって意見の全く異なる案件を持ち込むことは適切ではない」
その上で、訴訟については
「原告の関係者含め、在留邦人との間では、我が国の総領事館幹部を通じて、緊密に連携をとっているということは事実」
と説明した。
ただ、この「緊密な連携」が、原告側が求めている「日本政府の大胆な動き」と一致するとは考えにくい。原告側の「抗議文」では、(1)河野談話の破棄(2)日本の名誉を守るために働いている人への積極的な支援(3)「従軍慰安婦は性奴隷ではなかった」という声明を公式に出すこと、を求めている。特に河野談話を日本政府が破棄する可能性は皆無に近く、控訴審に向けた戦略作りには紆余曲折がありそうだ。