あの戸田奈津子が迷訳 英語の玄米を「茶色い米」

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   NHKの情報番組「あさイチ」に通訳として出演した映画字幕翻訳家の戸田奈津子さん(78)が、大御所らしからぬ「ぎこちない訳を連発した」とネットで話題になっている。

   戸田さんは2015年2月25日の生放送で、「世界一の朝食」と称されるシドニーの人気レストラン「bills(ビルズ)」のオーナーシェフ、ビル・グレンジャーさんの通訳を務めた。

「powdered sugar」は「粉パウダーシュガー」

確かに「茶色い米」ではあるが...(画像はイメージ)
確かに「茶色い米」ではあるが...(画像はイメージ)

   グレンジャーさんは、この日スタートした新企画「レジェンドキッチン」の初回ゲストとして登場。日本のパンケーキブームの火付け役ともなったリコッタパンケーキと、看板メニューの1つであるスクランブルエッグをスタジオで実際に作ってみせた。戸田さんはグレンジャーさんの隣に立ち、レシピのポイントや質問への回答などを逐一訳して伝えた。

   視聴者は料理の秘密を盗むべく熱心に見入っていたようだが、戸田さんによる「ぎこちない訳」が途中から目立ってくると、インターネット上には「通訳がめちゃくちゃだ。。」「食材ちゃんと訳して!」「正しい作り方かどうか怪しい」といったツッコミが続々と寄せられた。

   たとえば、グレンジャーさんが最近作った朝食について話している際、戸田さんは「brown rice(玄米)」を「茶色いお米。白米じゃないです」と通訳。パンケーキの仕上げで振りかけた「powdered sugar(粉砂糖)」は「粉パウダーシュガー」と中途半端な訳に。一方、英語名ではあまり馴染みのない「pine nuts(松の実)」はグレンジャーさんの言葉のまま「パインナッツ」と伝えた。

   また、視聴者から「パンケーキの生地を冷蔵庫で保存すること」について質問が寄せられると、戸田さんは勘違いしたのか、「なぜバターを冷蔵庫に保存するのか」と誤って伝えた。そのためグレンジャーさんは「溶けないように、保存するならば冷蔵庫に入れて下さい。2週間もちます」と答え、一時、やりとりが噛み合わなくなってしまった。

「NHKの人選ミス」?

   「字幕の女王」との異名でも知られるとおり、戸田さんは映画字幕のイメージが強いが、通訳者としての仕事歴も長い。トム・クルーズさんやレオナルド・ディカプリオさんなど大物ハリウッドスターを担当することも多く、その道のプロであることは間違いない。

   だがベテラン通訳者であっても、調理法や食材名などの料理用語は門外漢であれば難しいのかもしれない。そのため、今回の件については「NHKの人選ミス」「仕方ないだろう」とする指摘も出ている。

   ただ、戸田さん訳の映画字幕については、以前から「誤訳」「珍訳」が映画ファンから指摘されることも少なくない。かつて、映画評論家の町山智浩さん(52)はラジオ番組の中で事例を紹介しながら「基礎教養があまりにも欠けていることが大きい」などと指摘していた。こうした事情から、戸田さんに対するネットの目は厳しめだ。

   今回の件について「玄米」や「松の実」の英語を基礎教養の範疇と捉えるか、また通訳者なら知っていて当然と考えるかどうかは人それぞれだが、ともあれ詳細なレシピは番組ホームページでも紹介されている。

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