格差について、先週(2015年2月21日)BS朝日の番組に出た。ピケティ本の解説をして、その中で、話をわかりやすくしようと思って、トップ1%の所得が年収1300万円と発言した。それが多方面で話題になった。
数字そのものは、ピケティも参加している学者グループサイト「World Top Incomes Database」のものであり、誰でもチェックできる。
年収1300万円とマスコミ関係者
給料の格差には誰でも関心があるので、格差問題はどこでも話題になる。ある番組スタッフから、出演者はいざしらず、テレビでも現場スタッフの多くはテレビ局社員以外なのでトップ1%にはいっていないと筆者に伝えてきた。テレビの現場でも「格差」があるようだ。また、あるマスコミ関係者は、自分は1300万円に入っているが、それでトップ1%とはおかしいので、ピケティの本自体に疑問を持ったという感想を寄せてきた。
筆者は、公務員時代に管理職だったので、職員の給与格差を知っていたが、職員は自分がどのような位置にいるのか正確に把握していなかったと思う。公務員の場合、採用試験ごとに将来の給与はだいたい決まるが、その中でも、将来の基本給に影響のある特別昇給とそのとき限りのボーナスアップである勤勉手当加算で給与が変動する。ただし、その格差はそれほど大きくない。しかし、職員の間では「格差」は大きな関心事で、多くの職員が「格差」があると感じていたようだ。
ピケティ本でのトップ1%は、20歳以上の人口の中で所得が上位1%に相当する個人だ。働かないで所得のない人も含めた人の1%であって、給料をもらっている人の中での1%ではない。もっとも、この違いはたいしたことではない。国税庁の民間給与実態統計調査は、給与をもらっている人を対象としているが、トップ1%は年収1500万円である。