シャープの液晶パネルに使われる「IGZO(イグゾー)」をめぐって、商標登録を無効とした特許庁の判断の取り消しを求めて同社が起こしていた訴訟で、知財高裁(設楽隆一裁判長)は2015年2月25日、シャープの請求を棄却した。確定すればシャープはアルファベットの「IGZO」を独占的に使えなくなり、他社は商品名に「IGZO」を冠した製品を売り出すことが可能になる。
今回、独占使用が認められなかったのは、アルファベット表記の「IGZO」。ロゴは引き続き独占使用できる。シャープはカタカナの「イグゾー」「イグゾーパネル」の商標も国内で登録済みで、これらは今後も独占して使える。
「IGZO」はインジウム、ガリウム、亜鉛、酸素からなる半導体の略称。シャープは2011年にIGZOを商標登録し、特許権をもつ科学技術振興機構(JST)と12年にライセンス契約を締結。世界で初めて量産化に成功した。スマートフォンなどの液晶パネルの材料として使われ、画質がよく、消費電力も大幅に抑えられるのが特徴。
シャープは「IGZO」の名称を自社のスマートフォンやタブレット端末、モニターの宣伝にも活用している。