ユーチューブで公開された地下鉄の動画が、波紋を広げている。
電車やバスの運転席に向けてフラッシュ撮影をするのは厳禁だとされているのはよく知られており、運転士がフラッシュ撮影を注意する内容なのだが、「すみません」と謝った乗客に対して運転士は「すみませんじゃねーよ!」と怒鳴ってしまった。
フラッシュ撮影は、「目潰し」状態になるため非常に危険
動画は2015年2月1日に公開され、長さは34秒。東京メトロ永田町駅の半蔵門線ホームで撮影された。動画では、出発しようとする電車の運転席のドアについている窓が開き、マスク姿の運転士が顔を出して
「お客さーん、フラッシュやめてもらえますか?」
と注意した。直後に、「すみません」と謝る子どもの声が聞こえるのだが、運転士は
「すいませんじゃねーよ!」
と吐き捨て、窓をガチャンと強く閉めて電車を出発させた。
運転席に向かってフラッシュ撮影をすると、運転士は強い光で視界を遮られ、言わば「目潰し」に状態になるため非常に危険だ。そのため、運転席へのフラッシュ撮影は一般的に厳禁だとされている。
東京メトロ「社内調査を行い、運転士には教育・注意を行いました」
こういったことから、動画を見た人の反応は、そもそもフラッシュ撮影をした人に落ち度があるとの見方から、怒鳴る運転手が最も悪いという見方まで、様々だ。問題の運転士が乗務していた電車は、東急田園都市線の中央林間駅発東京メトロ半蔵門線押上駅行きで、東急の5000系と呼ばれる電車を使っていた。そのため、メトロの運転手が「借り物」であるはずの東急の車両のドアを乱暴に扱うことを問題視する声も少数ながらあった。
東京メトロ広報部によると、運転士が怒鳴る様子が撮影されたのは1月31日。2月2日になって「お客様センター」に対して動画に関する指摘が3件寄せられ、事態を把握した。
東京メトロでは
「社内調査を行い、運転士には教育・注意を行いました」
と話しており、問題を起こした運転士については「反省している」と説明している。
さらに、運転席へのフラッシュ撮影は厳禁だが、電車の運行に問題がなければ、一般の乗客が構内でフラッシュを使わずに電車の写真を撮ることは問題ないとしている。