学校給食を襲う「食材高騰」 苦肉の策も限界、値上げ相次ぐ

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

「ジャムや季節のデザート復活できる」

   大阪府茨木市では小学1~4年生で月額432円、5~6年生で468円の値上げを実施する。これにより低学年は月額3960円、中学年は4140円、高学年は4320円となる。消費増税時の値上げを除けば約16年ぶりの改定となる。値上げ額としては決して小さくはないが、保護者はおおむね納得しているようだという。

   市教育委員会は改定決定前の14年10月、「給食内容の充実」について市立小学校全保護者を対象にアンケート調査を行った。「値上げは1食あたりいくらまで負担をお願いできるか」という問いで、今回の値上げ額である1食約25円(1~4年生/年190日の場合)を満たす「25円~30円」と「30円以上」の合計は38.9%と約4割に達した。「21~25円」(31.3%)を含めれば、計7割以上にのぼる。

   市教委の担当者によれば、もともと1食あたり最低18円分の値上げを考えていたそうだが、こうしたアンケートの結果も考慮して、上回る値上げ額を決めた。

   アンケートでは「内容をもっと充実させてほしい」の回答率も64.4%と高かった。担当者は「これまで補助金を切り崩しながらなんとかやってきました。改定後は、米飯回数を週2.5回から3.5回に増やします。現行では取りやめざるを得なかったジャムや味付けのり、季節のデザートなどの提供も復活させるなど、献立の幅を広げて充実を図ります」と話しており、内容の充実によって値上げへの理解を得る考えだ。

   他にも東京都武蔵野市、西東京市、福岡県福岡市、三重県亀山市などがそれぞれ改定を発表している。

   公立小学校における給食費は年々上昇傾向にある。文部科学省の調査で3~4年生の平均給食費を見てみると、2010年度には月額4136円だったが、11年度は4145円、12年度は4158円。13年度には4165円まで上がっている。中学校も同じ傾向で、保護者の負担も年々大きくなってきている。

1 2
姉妹サイト