学校給食を襲う「食材高騰」 苦肉の策も限界、値上げ相次ぐ

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   2015年4月の新年度から、給食費の値上げに踏み切る公立小学校が全国で出てきている。食材価格の上昇による費用不足が主な理由だ。

   献立を工夫しながら金額を据え置いてきた自治体も、続々と改定を発表している。

「給食2日間取りやめ」

4月から給食費を値上げする動きが広がっている(画像はイメージ)
4月から給食費を値上げする動きが広がっている(画像はイメージ)

   学校給食に必要な経費は、人件費や施設費などは原則として自治体が、食材費は「給食費」として保護者が負担することになっている。消費税が3%上がった14年4月には、給食費の改定が各地で行われた。据え置きのまま乗り切った自治体も少なくなかったが、食材価格の高騰が続く中、値上げを余儀なくされているところも増えてきている。

   改定に至るまでには、各自治体ともさまざまな苦労があったようだ。

「増税だけでなく、豚肉や野菜などの食材の値上がりが響きました。質を維持するためには、現行のままではどうしても費用が不足してしまう」

   こう話すのは、埼玉県川越市の学校給食課の担当者。同市では4月から月額350円の引き上げを決めており、これまで4000円だった月額は4350円となる。1食あたり約250円の計算だ(年間190回の場合)。

   これまでは、具入りごはんを白いごはんにしたり、菓子パンを食パンにしたりと献立を工夫することでやりくりしてきたという。それでも14年度は赤字が見込まれたため、苦肉の策として12月と1月に2日間給食を取りやめた。終業式の前日、始業式の翌日という授業への影響が少ない日を選んだが、中には授業を短縮した学校もあったという。

「一品減らしたり外国産のもの使用したりすれば、現在の金額でも190日間(全実施日数)出すことはできると思います。けれど栄養面や安全面を考えると、質を落とすことはできません。2日間の取りやめも苦渋の決断でした」(前出の担当者)
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