献金問題をめぐり野党の追及を受けていた西川公也前農相が2015年2月23日夕方、「内閣に迷惑をかけてはいけない」などとして辞表を提出し、受理された。「自らの問題で予算審議が滞るのを避ける」といった説明は大臣辞任の際の「常套句」だとも言えるが、それでも2月24日は一部野党が衆院予算委員会で審議に応じず、丸一日空転した。
野党側は安倍晋三首相の任命責任を問う方針だが、追及していた大臣が辞任しても野党側が審議を拒否するという、分かりにくい状態だ。
安倍首相は辞表受理直後に任命責任認め陳謝
西川氏は辞任にあたって正式な会見は開かなかったが、辞表提出後に記者団に対して、
「これから農政改革をやるときに、内閣に迷惑をかけてはいけない」
などと説明した。安倍首相は辞表を受理した直後に「任命責任は私にあり、国民の皆様にお詫びしたい」と任命責任を認め、陳謝した。
だが、それでも野党側がキーワードにしたのは「任命責任」で、議論はすれ違った。民主党の岡田克也代表は、
「辞めたから済む話ではないし、辞めたから任命責任がなくなるわけではない」
と述べ、維新の党の松野頼久幹事長、共産党の山下芳生書記局長も共通して「任命責任」を追及し、西川氏の献金問題について引き続き説明を求めていく考えを示した。
同日夜、この野党3党の国会対策委員長が会談し、翌24日に予定されていた衆院予算委員会の一般的質疑に応じない方針を決めた。
予算委員会では、数日間にわたって全閣僚が出席する「基本的質疑」が行われた後に、財務大臣と質疑する議員が指定した大臣のみが出席する「一般的質疑」が行われる。今国会の衆院予算委員会での基本的質疑は、2月19、20、23日の3日間の日程で行われた。野党としては、基本的質疑では西川氏の問題を集中的に追及することを基本戦略としており、その日程が終わった瞬間に西川氏が辞任したことに反発したとも言える。