「この名前、どう読むんだろう」。パッと見ただけでは解読不能な、いわゆる「キラキラネーム」の勢いはとまらない。
両親は思い入れを持って名付けているのだが、珍しすぎる名前がゆえに成長した後で苦労するケースもあるようだ。
「北斗七星のように明るく輝いて欲しい」との願いを込めた名前
5歳の女の子、名前は「星七」ちゃん。さて、なんと読むか。
2015年2月23日放送の「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)では、キラキラネームを持つ子どもが次々に登場し、SMAPのメンバーをはじめ出演者がその名を当てるコーナーがあった。星七ちゃんの場合、字面から「セブンスター」、「セイナ」という声が飛んだがいずれも不正解。正しくは「ティナ」だった。母親は「北斗七星のように明るく輝いて欲しい」との願いを込めたという。
ほかの子どもたちも独創的な名前だ。「流空」と書いて「イリア」、「愛姫」が「ラブキ」、「鷹来」が「タカラ」。名前だけを見ると、男の子か女の子か判別に苦労する場合もありそうだ。「皇帝」という名の中学1年生も出てきた。「エンペラー」「クラウン」「ラオウ」と候補が出る中、SMAPの稲垣吾郎さんが正解を口にした。それはドイツ語で「皇帝」を意味する「カイザー」。「個性的な生き方をしてもらいたい、夢をかなえて欲しい」との思いから名付けたそうだ。
名前の流行は時代によって変わる。明治安田生命が2014年12月1日に発表した「生まれ年別の名前調査」によると、男の子の場合1980年ごろまでの長期間にわたって「誠」がポピュラーだったが、以後は「大輔」「翔太」「拓也」などが取って代わり、2000年代後半になると「大翔」がトップに立った。女の子は、かつては「子」のつく名前が多かったが、1980年になると「愛」が首位を奪うと、1990年以降は「美咲」、さらに「さくら」へと移り、ここ10年ほどは「陽菜」が毎年最も人気を集めている。
同じ「大翔」でも「ヒロト」「ハルト」「ヤマト」と読み方は変わる。「陽菜」も「ヒナ」「ヒナタ」「ハナ」「ハルナ」とバリエーションがあり、一筋縄ではいかない。それでも、漢字表記から読み方がある程度は推測できるだろう。
では「苺愛」「華琉甘」「愛羅」はどうか。これは、リクルーティングスタジオが2014年12月25日発表した「2014年キラキラネームランキング」で、同社のアプリ「無料 赤ちゃん名づけ」にアクセスが多かった名前のトップ3だ。答えは順に「いちあ、べりーあ」、「かるーあ」「あいら、てぃあら」。4位以下も、読み手を悩ませそうなキラキラネームが並ぶ。