「三菱UFJも必ず追随する」と「予言」
それが、なぜ今になって委員会設置会社へ転換するのか。背中を押した最大の理由は、国際的な規制強化の流れと海外投資家の厳しい視線だ。
米欧の金融当局は、巨大金融機関の経営の「暴走」を防げずに引き起こされた2008年のリーマン・ショックを教訓に、金融機関に対して経営監督機能の強化を求めている。FSB(金融安定理事会)は、国際金融システム上、重要な金融機関「G-SIFIs」として認定されている世界の巨大金融機関に、ガバナンス(経営統治)強化策を強く要請している。
日本では一般的な監査役設置会社は、海外の当局や投資家から見れば、執行と監督が完全に分離されていない懸念がぬぐえない。いち早く委員会設置会社へ移行したみずほの経営陣は「世界では委員会設置会社がスタンダード。金融当局の要請もある。三菱UFJも必ず追随する」と「予言」していた。海外事業を稼ぎ頭に位置づける三菱UFJにとって、こうした海外の視線はもはや無視できるものではなく、委員会設置会社への移行が最善との結論に達した。