プードルを放り投げ脇腹を踏む動画が物議 「虐待」なのか「じゃれ合い」の延長なのか

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   ペット犬のトイプードルを放り投げたりその脇腹を踏んだりする様子を映した動画がユーチューブに投稿され、物議を醸している。これは動物虐待になるのかどうか、神奈川県警も捜査を始めた。

   ベッドに座った男性が部屋の隅に逃げたプードルの名を呼び、「ちょっと来て」と招き寄せて、蹴り飛ばすような動きをみせる。これは、ユーチューブに投稿された「虐待される犬」の動画の1シーンだ。

どれだけの強さなのかは不明

物議を醸した動画
物議を醸した動画

   この1分半ほどの動画では、さらにプードルを弄ぶようなシーンが続く。「お座り!」と命じ、プードルをつまみ上げて床に叩きつけたり放り投げたり。さらには、プードルを床に寝そべらせ、その脇腹を数秒間にわたって踏みつける仕草までしていた。

   男性の顔は見えず、ジャージのパンツなどが見えるだけだ。プードルはこうした仕打ちに戸惑った様子でもあるが、男性の呼びかけに応じて寄って来てもいる。動画では、どれだけの強さで男性がプードルを放り投げたり踏みつけたりしているのかは不明だ。

   動画は、ユーチューブに7本ほどの種類があり、2015年1月28日ごろから2月11日ごろまでに投稿されたらしい。茶色と白色のプードル計2匹が確認されたが、放り投げられるなどしたのは、茶色の方だった。

   ツイッターのアカウントなどから、動画の投稿主は、横浜市内の私立高校1年の男子生徒だとの推測も流れた。ただ、「犬を蹴り続けている男。理解できません」と動画でコメントしており、プードルを蹴るなどした男性は、男子生徒とは違う人物である可能性も浮上していた。

   東京都内の動物愛護団体によると、動画を見た人から連絡を受けて、2月13日になって男子生徒の高校へ問い合わせた。高校が男子生徒に事情を聴いたところ、犬は飼っておらず、他の人の動画を改めて投稿しただけだと説明したという。男子生徒も団体側に連絡してきて、同様なことを話したそうだ。動画は、高校から消すように言われたといい、この日のうちに削除された。

警察「虐待にあたるか慎重に検討」

   動物愛護団体では、ホームページ上でこうした状況を説明しており、2月21日付で神奈川県知事などにプードルの緊急保護などを要請したことを明らかにした。犬の脇腹を踏みつければ内臓が破裂して生命に危険が及ぶ恐れもあるとしている。

   動画は23日夕現在、前出の1本だけがネット上で閲覧できるようになっているが、ほかの動画も、男性がプードルをベッドの上から蹴り落とすなど同様なシーンが映っていたという。どのくらいの強さで蹴るなどしたとみられるかについて、団体の代表者は、「それは分かりません。しかし、動画から見て虐待だと思います。早く救出・保護してやりたいです」と言う。

   横浜市内の私立高校に取材すると、男子生徒が動画を投稿したこと自体は事実だとしたが、「犬は飼っておらず、虐待した事実はありません」と、動画に出てくる男性であることを否定した。他人が作った動画を改めて投稿しただけ、とする生徒の主張に沿う内容だ。警察にすべて任せているといい、「それ以上はお話しすることはないです」と話した。

   そこで、横浜水上署に取材すると、17日に高校へ出向いて、男子生徒から事情を聴いたことを認めた。動画を投稿したときに使った男子生徒の携帯電話を親の同意を得て任意で提出してもらい、虐待を禁じた動物愛護管理法第44条違反の可能性もあるとみて捜査していることも明かした。男子生徒は動画を投稿しただけの可能性があり、プードルを蹴るなどした男性が誰なのかはまだ分からないという。

   ただ、動画に出てくる男性を立件できるかは不透明だとした。動画は確かに、プードルとじゃれ合っている延長のような雰囲気はあるが、副署長は、「度が過ぎている可能性もありますので、虐待にあたるか慎重に検討しなければいけないでしょう」と話している。

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