警察「虐待にあたるか慎重に検討」
動物愛護団体では、ホームページ上でこうした状況を説明しており、2月21日付で神奈川県知事などにプードルの緊急保護などを要請したことを明らかにした。犬の脇腹を踏みつければ内臓が破裂して生命に危険が及ぶ恐れもあるとしている。
動画は23日夕現在、前出の1本だけがネット上で閲覧できるようになっているが、ほかの動画も、男性がプードルをベッドの上から蹴り落とすなど同様なシーンが映っていたという。どのくらいの強さで蹴るなどしたとみられるかについて、団体の代表者は、「それは分かりません。しかし、動画から見て虐待だと思います。早く救出・保護してやりたいです」と言う。
横浜市内の私立高校に取材すると、男子生徒が動画を投稿したこと自体は事実だとしたが、「犬は飼っておらず、虐待した事実はありません」と、動画に出てくる男性であることを否定した。他人が作った動画を改めて投稿しただけ、とする生徒の主張に沿う内容だ。警察にすべて任せているといい、「それ以上はお話しすることはないです」と話した。
そこで、横浜水上署に取材すると、17日に高校へ出向いて、男子生徒から事情を聴いたことを認めた。動画を投稿したときに使った男子生徒の携帯電話を親の同意を得て任意で提出してもらい、虐待を禁じた動物愛護管理法第44条違反の可能性もあるとみて捜査していることも明かした。男子生徒は動画を投稿しただけの可能性があり、プードルを蹴るなどした男性が誰なのかはまだ分からないという。
ただ、動画に出てくる男性を立件できるかは不透明だとした。動画は確かに、プードルとじゃれ合っている延長のような雰囲気はあるが、副署長は、「度が過ぎている可能性もありますので、虐待にあたるか慎重に検討しなければいけないでしょう」と話している。