故・やしきたかじんさんの闘病生活を描いた百田尚樹氏の著書『殉愛』をめぐる騒動で、ノンフィクションライターらが書き下ろした『百田尚樹「殉愛」の真実』(宝島社)が、2015年2月23日、通販大手アマゾンのサイトなどで発売される。一部書店では「先行発売」された模様で、「読んだ感想」がネット上に20日頃から掲載され始めた。
一方、百田氏もこうした反応を目にしたようで、2月22日のツイッターで、今回発売の本や著者らに対し、「狂った正義感」と反発している。
「発売」を待たず前哨戦
『百田尚樹「殉愛」の真実』は、ともにノンフィクション部門で受賞歴がある角岡伸彦氏と西岡研介氏、たかじんさんの弟である家鋪渡氏、宝島「殉愛騒動」取材班の共著。アマゾンサイトの「内容紹介」欄をみると、「(略)『殉愛ノンフィクション』、その疑惑とウソを徹底解明!」などとある。他にも、ノンフィクションとして出版された百田氏の『殉愛』に対し、かなり辛辣な批判が載っている。
2月20日頃から「関西の書店」で入手した、などの報告や感想がツイッターなどに投稿された。「きちんと取材した、たかじん愛を感じる本」「ほんもののノンフィクションライターが書いた本」といった好意的な反応が目につく。
批判された形の百田氏は2月22日、ツイッターで同書に触れ、「どうやら、たかじん氏の未亡人の過去を暴いた内容らしい。昔の夫に悪口を言わせて、それを書いているとも。犯罪を犯したわけでもない一女性をここまでヒステリックに執拗に叩く理由がわからん」と指摘、「狂った正義感」と断じた。
さらに、アマゾンサイトの同書紹介ページにもある「これがほんまのノンフィクションやで!」という一文を引用し、「私の本を『当事者に取材せずに書いた』と非難した人たちが、同じように当事者に取材しないで、事実の検証もしないで書いている。『お前がやったようにしてやったんだ』と言うつもりかな。当事者でもないのに」とツイートした。
今回の『~の真実』に対し批判的な感想ツイートもあり、「ここまで『売れてる百田尚樹に便乗』っぽさを出しても平気なのか」といった声もあった。
『~の真実』の著者の一人、西岡氏はすでに21日、「百田さん、ノンフィクションを舐めるなよ」とツイートしており、23日の「発売」を待たず前哨戦が繰り広げられる様相となっている。