手元にスマホがあったからつい悪口を... 今後は中高年にもこんな「脊髄反射行為」が増える

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   パソコンやスマートフォンを使って、悪意のある投稿をしたことがある人は4人に1人に上る。独立行政法人・情報処理推進機構の調査で分かった。

   特にスマホを使って投稿する人の割合が増え、専門家は「手元にスマホがあったから、という感覚で脊髄反射的になっている」とし、若い世代に限らず、中高年も含めて今後さらに増える可能性を指摘している。

投稿後は「気が済んだ、すっとした」(31.9%)「面白かった」(18.3%)

スマホで悪意ある投稿が増えている
スマホで悪意ある投稿が増えている

   アンケートは13歳以上のパソコン、スマホやタブレット端末を持っている人を対象に、2014年9月から10月にかけて行った。「他人や企業の悪口」「他人の発言を非難」「下品な言葉を含む」など、悪意のある投稿を行ったことがあるか質問したところ、パソコンで22.2%、スマホやタブレットで26.9%の利用者が投稿した経験があると回答した。

   前年調査に比べて、投稿経験者がパソコンでは4.2ポイント減少したのに対し、スマホでは3.4ポイント増加したのが特徴的だ。

   スマホでの投稿経験者に、投稿した理由を聞くと「人の意見に反論したかった」「人の投稿やコメントを見て不快になった」「人の意見を非難・批評するため」「いらいらしたから」など、突発的な要因が上位に並ぶ。

   また、投稿後の心理については「気が済んだ、すっとした」(31.9%)「面白かった」(18.3%)などが多く、「やらなければよかったと後悔した」(13.6%)「問題になるか心配になった」(11.1%)など反省する回答よりも目立つ。中には「何も感じない」(27.6%)という人もいた。

「安易な世代論では語れない」

   アンケート結果に、ネットは「むしろしたことないって言ってる人間の方が信じられない」「企業の悪口くらい、ふつうに書くわ」という反応だ。4人に1人の割合よりも「もっと多い」と見る人が多いようだ。

   専門家はどう見るのか。ITジャーナリストの井上トシユキさんはスマホの割合が増えたことについて、「プライベートでネットに接続する際、スマホを使うことが当たり前のようになったからだ」といい、こう分析している。

「過去にネットで犯罪予告を投稿した人とメールでやり取りしたことがあります。その人は『むしゃくしゃした時、手元にある灰皿を投げるように、ネット掲示板にアクセスして書いた』と話していました。現在では手元にスマホがあったから投稿した、と脊髄反射的になっているのでしょう」

   今回のアンケートでは、10~20代の若い世代が中高年に比べて投稿経験があることを示している。しかし、今後は中高年でもネットにどっぷり入り浸る人が増える見通しで、分別あるはずの大人が悪意のある投稿をする可能性は高くなる。つまり、「安易な世代論では語れない」と見る。

   また、投稿後に「何も感じない」とした人が多かったことについては、

「リアル世界ではむしゃくしゃして灰皿を投げると自分で片づけないといけません。しかし、バーチャルな世界では何も散らからないし、すぐに反応がないこともある。言われた方は傷つきますが、投稿した方は言いっぱなしで自覚がないことは多い」

としている。

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