衆院予算委員会で、2日連続でヤジをめぐる応酬が続くという異例の事態だ。2015年2月19日、民主党議員が西川公也農水相の献金問題について質疑している途中に、安倍晋三首相が突然「日教組!」とヤジを入れたのが発端だ。
日本教職員組合(日教組)は民主党の有力な支援団体として知られているが、議員は「日教組のことなんか私話してないじゃないですか!」と反発し、翌2月20日には前原誠司元外相がヤジについて安倍首相を追及。安倍首相が反論めいた答弁をしたため、前原氏が「反省をしなさいって言ってるんですよ。反省をすべきだよ!」と激高する一幕もあった。
「日教組のことなんか私話してないじゃないですか!」
安倍首相の「日教組」ヤジがあったのは、民主党の玉木雄一郎衆院議員の質疑の時間だ。玉木氏は、西川農水相が砂糖の関係団体から献金を受けたことを「ダミー会社を迂回させた脱法的な献金」だと問題視。
「法の趣旨を考えると、こんなことを許している法律は改正すべきなんですよ!」
などと訴えた。そこに安倍首相が
「日教組!日教組!」
とやじった。玉木氏は
「総理、ヤジを飛ばさないでください。今私話してますから、総理。ヤジを飛ばさないでください総理。これ、真面目な話ですよ!政治に対する信頼をどう確保するかの話をしているんですよ」
と強く反発したが、安倍首相は「日教組!日教組どうすんだ!日教組!」と続け、玉木氏はさらに
「日教組のことなんか私話してないじゃないですか!」
と声を荒らげた。大島理森委員長も
「いやいや、総理もちょっと静かに」
「ヤジ同士のやりとりしないで、総理もちょっと」
などと安倍首相を注意するほどだった。
玉木氏は旧大蔵省出身で、日教組とのつながりは知られていない。この時点で意味不明に見えた「日教組」ヤジの意味は、翌2月20日のやり取りで明かされた。