SUV「ローグ」は現地生産が追いつかない
中でも突出しているのが、日産とホンダだ。日産は世界生産台数509万台のうち、海外生産が421万台と8割強を占める。特に景気回復基調が続く米国が好調で、SUV(多目的スポーツ車)の「ローグ」(日本名エクストレイル)は現地生産が追いつかない。円安基調が追い風となり、国内生産して輸出に回しても、十分な利益が見込めると判断。今後徐々に国内生産を増強し、2017年度には現在より年20万台増やす。
ホンダは451万台のうち海外生産は355万台。海外生産比率は8割弱と、日産を下回っている。ただ、国内生産台数95万台に対し、輸出台数は3万台に過ぎない。半数以上を輸出に回している日産よりも、「地産地消ぶり」は徹底しているといえる。
その結果、国内販売が不振に陥ると、工場の稼働率低下に直結する事態に陥っている。実際、小型車「フィット」などでリコールが相次いだため、新車の品質チェックを入念に行っている。販売時期を当初計画より最大半年間遅らせるなどしたことで、生産、販売への影響が色濃く出ている。