大手自動車メーカーが進めてきた「地産地消」の動きに、変化が出てきた。現在、国内生産台数が年90万台の日産自動車は、米国への輸出向けなどを中心に、2017年度までに110万台に増やす方針を表明した。
国内生産のうち輸出に回す比率が3%台のホンダは、1~2割に高めるという。円安で輸出採算が改善していることに加え、国内工場の稼働率低下を防ぎ、雇用を維持する狙いがある。
海外生産が増え、輸出に回す台数が減るという傾向
国内自動車大手8社の2014年の国内生産台数は前年比1.2%増の921万8375台だった。海外生産は4.5%増の1718万8948台と過去最高を更新。海外生産比率は65%だった。ただ輸出台数は4.9%減の412万2545台。海外生産が増え、国内生産して輸出に回す台数が減るという傾向が続いている。
自動車産業全体で、海外生産が国内生産を上回ったのは2007年。為替相場の影響を抑えることに加えて、消費地の近くで作った方が、消費者の声をいち早く吸い上げ、よりニーズに即した製品作りができるためだ。輸送費が抑えられるメリットがあるほか、現地の雇用創出にもつながる。