中国人観光客「予算なんてない」「買いたいだけ買う」 「爆買い」荷物で空港大混乱、機内に積み込めるのか

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   旧正月の休暇に入った中国から、観光客が日本にどっと押し寄せてきた。円安に誘われて、東京や大阪などで「買い物合戦」を繰り広げている。

   大勢の中国人観光客が欲しいだけ買っていく。だから土産物でいっぱいのスーツケースや段ボールの数もすさまじい。ひとりひとりがこれほどの数の荷物を持ち込んで、帰国時の飛行機の中に収まりきるのだろうか。

航空会社のカウンター前に広がる段ボールの山

免税店は大賑わい
免税店は大賑わい

   中国で「春節」と呼ばれる旧正月の休暇が2015年2月18日から始まった。7連休とまとまった休みのため、日本への「買い物ツアー」が加速している。

   テレビ各局は、「爆買い」と呼ばれる中国人観光客の豪快なショッピングを報じた。大型観光バスで繁華街にやって来ると、免税店にまっしぐら。電化製品や化粧品、食品を次々に購入していく。中でも人気は日本製炊飯器、さらには温水洗浄や座った際に温かい「高機能便座」だ。気に入ったら、同じ商品を手に入る限り買う。2月18日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)では、買い物の予算を中国人観光客にたずねたところ「100万円」「400万円」と驚くような金額が続出、さらに「予算なんてない」「買いたいだけ買う」と口にする人もいた。購入品を詰め込むため、新たなスーツケースを求める客も少なくない。

   ひとり当たりの土産物の数はかなり多く、箱ごと購入するケースも見られる。当然、帰国時に手荷物として持ち帰るのだが、あまりの数に空港の出発ロビーが荷物であふれかえるようだ。2月18日放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)は、北海道・新千歳空港の様子を報じた。「人の背を越える段ボールの山」とのナレーションとともに映し出されたのは、カート1台に5個、10個と積まれた段ボール箱だ。航空会社のカウンター前は一面に広がる荷物と、搭乗手続きのために並ぶ人で大混雑。同空港は年末年始も中国をはじめアジアからの観光客でごった返し、対応に苦慮していたが、今回はそれを上回る勢いだ。

   しかも中国人観光客の帰国が本格化するのは、春節休暇が終わりに近づく来週だろう。今の時点で混雑している出発ロビーが、帰国ラッシュを迎えたらどうなるのだろうか。「段ボールタワー」が林立し、フロアーをびっしりと埋め尽くす人たちの様子が想像できそうだ。

全日空は1個超過で2万円も個数制限なし

   そもそも空港で、数多くの大きな荷物を帰国便に預けることは可能なのか。持ち込める荷物の数には限りがあるはずだ。

   全日空の場合、日本と中国を結ぶ国際線の便はビジネス、エコノミーの2クラスが用意されている。ビジネスは1個あたり32キロまでの荷物が計2個、エコノミーでは同23キロまでの荷物が2個、無料で預けられる。3個目からは有料だ。料金は、アジア便での個数超過の場合1個あたり2万円、重量超過では23キロ超~32キロ以下が6000円、32キロ超~45キロ以下2万円となる。45キロをオーバーしたら預けられない。またサイズも、158センチ超~292センチ以下で2万円加算となる。例えばエコノミークラスの乗客で、3個目の荷物が30キロだった場合は、個数と重量それぞれの超過料金を足して2万6000円支払う計算だ。

   ただし全日空広報は取材に対して、超過分の荷物の個数に制約はないと話した。平たく言えば、超過料金を払いさえすれば何個でも預けられることになる。1個増えるごとに最低2万円となれば、負担は小さくない。だが予算「青天井」で日本製品を買いあさる中国人観光客の懐事情からすれば、超過料金が数万円でも痛くもかゆくもないかもしれない。乗客全員が、1人につき段ボール10箱を抱えて搭乗カウンターに押し寄せたら、機内にすべて収まりきるのか。

   全日空は、機内には広い貨物スペースがあるため、現実的に考えて荷物を積みきれない事態にはならないと説明する。大きなサイズの場合は事前に相談してほしいと言うが、通常は「ひとりで持ち運びできる個数」であれば収容しきれるようだ。

   しかし航空会社によっては、対応が少し変わってくる。日本航空の場合、全日空同様に超過手荷物料金が規定されているが、原則的にひとり当たりの最大受託個数は「各搭乗クラスの無料手荷物許容量+7個」と同社ウェブサイトには書かれている。また、「規定内の個数・重量のお手荷物でも、機種によっては搭載スペースが限られておりお預けいただいたお手荷物すべてを搭載できない場合があります」となっている。個数制限に加えて「万一のケース」があり得るというわけだ。

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