福島沖でのアウターライズ地震を半年前に予知
東日本大震災後にも、アウターライズ型とみられる地震があった。2013年10月26日に福島県沖で発生したM7.1の地震だ。岩手県久慈市と福島県相馬市で40センチ、宮城県石巻市で30センチ、岩手県大船渡市で20センチ、さらに宮城県の東北電力女川原発でも55センチの津波をそれぞれ観測した。この時も最大震度は4で、震源の深さは10キロ。今回の最初の地震と共通点が見られる。
実はこの半年ほど前、東海大学地震予知研究センター長の長尾年恭氏がテレビ番組で、数か月以内に東北沖でアウターライズ地震が起きる可能性を指摘していた。「最大10メートルの津波が襲う」という最悪のシナリオは免れたが、地震発生の予測そのものは的中した格好だ。
「とくダネ!」の中で東京大学名誉教授の笠原順三氏は、東日本大震災のようなM9.0の地震の後は「5~10年、M8.0クラスの地震が起きる可能性がある」と述べ、その場合は津波も大きくなると警鐘を鳴らした。昭和三陸地震の歴史から学ぶとすれば、今後も油断は禁物だろう。おりしも今回の地震が起きた同じ日の2015年2月17日、内閣府は、北海道沖から千葉県沖の千島海溝と日本海溝で発生が予想されている巨大地震や津波の高さの規模を見直すための検討会を立ち上げた。