トヨタ車「Isis」にとんだ「とばっちり」 「イスラム国」表記(ISIS)巡る「誤解」

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米バイオ医薬品大手の銘柄コードも「ISIS」

   海外にも、「イスラム国」に迷惑をこうむった企業があるようだ。米ウォールストリートジャーナル日本語電子版は2014年6月16日付記事で、米バイオ医薬品大手「アイシス・ファーマシューティカルズ」のケースを紹介している。

   同社はハイテク銘柄が多い米ナスダック市場に株式を上場している。米株式市場では、上場企業を識別するためにアルファベット4文字以下の「ティッカーシンボル」という銘柄コードを付ける。同社の場合、そのものズバリ「ISIS」だ。企業名であり、なんら不思議はないだろう。

   記事によると、14年4月30日~6月10日まで28%上昇した株価は、6月11日に6%安、12日も2%安となり、13日には終値こそ4.31%高と反発したが一時は2.8%安と下げていた。連日の下落に結び付くような同社関連の悪材料はなかったのに、だ。だが6月11日は「別のISISに関するニュース」があった。「イスラム国」がイラク第2の都市モスルを掌握し、首都バグダッドに迫っていた。この脅威から「投資家が無意識に米国のアイシス株を敬遠したのだろうか」と記事は問いかけ、金融論を専門とする米フロリダ大のジェイ・リッター教授の「その可能性はある」というコメントを紹介している。ティッカーシンボルが短期的には株価にプラス、マイナスの両面で極めて大きな影響力をもちうるというのだ。

   アイシス株は以後上昇し、2015年1月12日には73.34ドルに達した。だがその後値下がり傾向に転じ、2月9日には今年の最安値となる58.83ドルまで下落した。この日は月曜日だったが、前週金曜日の2月6日に「イスラム国」は、人質としていた米国人女性が死亡したと発表していた。もしこの動きが投資家の心理が何かしらの影響を及ぼしていたとしたら、アイシス社にとってはとんだとばっちりとしか言いようがない。

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