一方で大手電力会社間の争奪戦も進む
ソフトバンクテレコムとSBパワーは2014年7月から法人向けに電力小売り事業を開始しており、「自然エネルギーの比率が高い電力で、CO2の排出を抑えたクリーンな電力を提供している。最適な電力使用の提案を行うことで、企業の電力コストの低減を促進している」という。KDDIは2014年9月からマンション向けに電力小売り事業をスタート。マンションの管理組合などが契約する「一括受電」と呼ばれるサービスで、マンション入居の家庭で電気料金を約5%、共用部で最大50%割り引くプランを提供している。ソフトバンクやKDDIなどは全面自由化に合わせ、家庭向けに電力と通信料とセットで割り引くプランを提供する見通しだ。
このほか、「ENEOS」ブランドの石油元売り最大手、JX日鉱日石エネルギーは、首都圏で電力とガソリンのセット販売を始める方針を明らかにしている。通信会社とも提携し、ガソリンと電力、通信料金がセットで割引になるサービスが登場する可能性もある。
迎え撃つ東京電力や関西電力など大手電力会社も黙ってはいられない。首都圏の家庭が関西電力や北海道電力と契約することも可能となり、大手電力会社間の争奪戦が進むのは確実。新電力を巻き込み、電気料金の値下げとサービス競争が進むのは間違いない。