現在のWRCはVWとシトロエンの2強状態
豊田社長は会見で「多くの方がトヨタはいつラリーに戻ってくるのだと問うてくださった。そうした良い記憶が残っているうちにラリーに復帰したいと考えた。ただし、これは復帰ではなく、ゼロからの参戦というのが現実だ」と述べた。
ラリーカーは市販車をベースに開発し、舗装路から雪道まで閉鎖した一般公道を走るため、その技術は市販車に応用されることが多い。近年はその逆で「市販車向けに開発した技術がラリーカーに使われることも多い」(メーカー関係者)という。いずれにせよ、トヨタがラリーカーを開発し、WRCに参戦することは、市販車にも何かしらの影響を与えるのは間違いない。豊田社長は「お客様が笑顔になり、社会に貢献できる、もっと良いクルマを作り、提供していきたい」と力を込めた。
現在のWRCはVWとシトロエンの2強状態が続いており、2013年にWRCに復帰したVWはポロをベースとしたマシンで2年連続チャンピオンに輝いている。世界販売台数ではVWと首位争いをするトヨタといえども、モータースポーツの世界でトップを争うのは至難の技だ。マシンの開発のみならず、2017年の参戦ドライバーの獲得競争も見ものだ。
日本でもWRCはスポーツ専門チャンネル「JSPORTS」が放映するほか、専門雑誌も発行されるなど根強いファンがいる。トヨタが参戦すれば、WRCが再び北海道で開催されるのも夢ではない。トヨタの復帰が今から楽しみだ。