サッポロが国税当局へ「反撃」 酒税115億円返還請求の背景 

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   サッポロビールは、2014年5月末まで第3のビールとして製造していた「極ZERO(ゴクゼロ)」をめぐり、追加納税した酒税115億円について国税当局に返還を求めた。社内検証で当時の製法や原料が第3のビールに当たると確認したためと説明するが、国税当局の対応が注目される。

   話の基礎知識として、ビール類ビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の税をおさらいしておこう。

第3のビールに認められる条件はあまりに細かい

「極ZERO」騒動は新たな段階に(画像はサッポロビールのホームページより)
「極ZERO」騒動は新たな段階に(画像はサッポロビールのホームページより)

   税率は酒税法で定められており、350ミリリットル缶当たりで、ビールが77円、発泡酒(麦芽比率25%未満)は46.9円、第3のビールが28円。税率は麦芽比率など原料や製法に応じて決まるが、「第3のビールに認められる条件はあまりに細かい」(関係者)のが実情だという。

   さて、今回の問題の発端は、独自の新製法をめぐる見解の食い違いにあった。サッポロは2013年6月に開発に約4年かけた独自製法で、世界初のプリン体ゼロ、糖質ゼロをうたった極ZEROを税率が安い「第3のビール」として発売。消費者の健康志向、低価格志向にマッチし、予想を超えるヒット商品となった。

   ところが、2014年1月に国税当局から製法についての情報提供を求められた。第3のビールと認めるには独自製法に疑義があったためとみられるが、サッポロは「製品開発上の営業秘密」として詳細を語らず、「第3のビールに該当しなかった場合に(税金の追加など)お客様に迷惑をかける」と判断し、製造を中止した。また、第3のビールでなかったと「確定」した場合の追徴課税も想定し、それまでの販売分について、適用税率を350ミリリットル缶当たり28円から77円として計算し直し、発売からの差額分115億円と延滞税1億円を追加納税した。そして製法を一部見直し、2014年7月に税率の高い「発泡酒」として再発売した。

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