人気タレントのベッキーさん(30)が「アゴがはずれました」と、ツイッターで打ち明けた。「大丈夫...」「痛みはない?」などとインターネットで話題だが、最近はこうしてアゴがはずれてしまったり、アゴを痛めて口をあけられなかったりする人が少なくないらしい。
アゴがはずれると口がひらきっぱなしになって痛いし、見た目もカッコ悪くてはずかしい。
「アゴがはずれましたって、はずかしいですよね」
ベッキーさんが発信したツイッターからは、どんな状況ではずれたのかはわからないが、周囲には人がいたようすがうかがえ、「『アゴがはずれました。』って、その場にいる方々に報告するとき、はずかしいですよね」と明かしている。
すぐに治ったようで大事には至らなかったが、さぞかしビックリしたし、焦ったことだろう。
インターネットには、
「こわいねぇ。やっぱり痛いんだよねぇ」
「いや本当、欠伸しただけで外れそうになるから怖いんだよ」
「頬杖ついて大笑いしたとき、私も顎が外れたwww なんとか自分で治したけど、何週間も痛かった」
「顎関節症は慢性化しやすいっていうからな。おだいじに」
などと、ベッキーさんを心配する声や、「私も経験した」という声が寄せられた。
アゴがはずれる、「顎関節脱臼」とは、アゴの関節が脱臼した状態のこと。日本顎関節学会によると、口をひらくときは下アゴが関節のへこみ(下顎窩)からはずれるように前に動くのだが、そのへこみにアゴの骨が戻らなくなった状態という。つまり、正しくは「はずれた」のではなく、自力で「戻せなくなった」状態なわけだ。
もとに戻らなければ、口がひらいた状態が続くことになるので、痛みはもちろん、よだれがダラダラと垂れ流したままになったり、顔が長く伸びたようになったりと、その姿はとても人には見られたくない。さらには、声は出るが「ア~ウ~」と言葉にならない状況なので、ひとりでは救急車も呼べなくなる。
大きな口をあけたり、あくびをしたり、また打撲などをきっかけに起るが、咀嚼筋(アゴを動かす筋肉)の疲労で、口をあけて前下方に移動した下アゴを後方に引きもどす筋力が不足した結果と考えられている。また、「噛み合わせに問題がある」と指摘する向きもある。
また口が大きくあかない、口をあけるとアゴが痛かったり、「ポキッ」と音がなったりする、「顎関節症」が原因で、以前にアゴをはずした経験のある人や、アゴの過剰運動で関節がゆるんでいるような人がはずれやすくなるともいわれる。クセになりやすく、繰り返す人が少なくないのは、そのためのようだ。
一番大切なことはアゴの関節に負担をかけないこと
そんな「顎関節脱臼」や、その原因にもなりかねない「顎関節症」とみられる人が、最近は少なくないという。なかでも、顎関節症は若い女性に急増中。もともと、すっきりした面長の顔立ちの「美人顔」の人が罹りやすいとされるが、最近は「小顔」の女性が増えて、アゴの骨が小さくなっていることが要因の一つとみられている。
インターネットにも、
「そう言えば、ベッキーって顎ナシ顔だよね」
といったカキコミがみられた。
さらに最近はストレス社会の影響からか、男性でも顎関節症を訴える人が増えてきているとの情報もある。
日本顎関節学会は「一番大切なことはアゴの関節に負担をかけないこと」と、ホームページで呼びかけている。
日常生活では、睡眠不足やうつ伏せで寝たり、寝ながら本やテレビを見たり、頬杖をついたり、フランスパンやビーフジャーキーなどの硬い食品や口を大きくあけて食べることを避けたりと、アゴに直接負担がかからない生活を心がけることが大事。
また、アゴで楽器を挟むバイオリンの演奏や、格闘技やスキューバダイビングなどは控えたほうがいいようだ。
ちなみに東京駅に近い、三橋矯正デンタルオフィスはホームページで、はずれたアゴを治すときのポイントを紹介。(1)外れた顎の関節頭を探す(2)前方に飛び出てしまっているアゴの関節頭の、出っ張りの上側に指をあてる(3)下か、やや後下方に出っ張りを押し下げる――の3つのステップで、「うまくいけばこれでカクンと入り、すぐに治ります」という。