富山県射水市の新湊漁港で2014年末から15年1月に水揚げされたダイオウイカの試食会が、15年2月22日午前10時から同市の観光施設「新湊きっときと市場」で開催される。
「ダイオウイカってまずいと聞いた気が」
「新湊きっときと市場」のホームページによると、試食会では来場者に「スルメ」を無料で振る舞った後、ダイオウイカの生態などを解説する予定だ。
水揚げされた4匹のダイオウイカは市内の水産加工会社「浜常食品工業」で「スルメ」に加工され、うち1つが「新湊きっときと市場」に2月2日まで展示されていた。
ネットユーザーは、ダイオウイカの「味」に着目しているが、
「ダイオウイカってまずいと聞いた気が」
「食用には適さないと聞いていたんだが」
「ダイオウイカってクッソ不味いって言ってなかったか」
とその印象は芳しくない。本当に不味いのか。
独立行政法人「海洋研究開発機構」の公式サイト上で、東京海洋大学客員教授でタレントの「さかなクン」さんが気になる味を解説している。
浮力を得るため体内に蓄えたアンモニアの影響もあり、生のままだと「くさくてしょっぱい」「おいしくない」というが、「生ダコのように塩もみしてぬめりをとったあとに、日本酒を薄めた水に一晩つける方法」で下処理すると、アンモニア臭も抜け、「ものすっギョくおいしかった」のだとか。
「二度と作らない。笑」
ダイオウイカの「スルメ」を作った「浜常食品工業」の濱力男社長も取材に対し、「あんまり美味しくない」と明かす。
ダイオウイカの肉はただでさえ少ない上、塩分を多分に含んで水っぽく、アンモニア臭もある。念入りに加工した後でも「やっぱり美味しくない」という。
「なぜスルメにしようと思ったのか」という問いには「遊びで作ったようなものだから」と前置きし、「富山湾産のスルメでは一番大きくなるし、面白いと思ったから」「乾燥させておけば生よりも保存がきいて、多くの人に見てもらえるから」と答えた。1匹は標本として保存、残りの3匹を試食会で「炙りスルメ」として振る舞う予定という。
引き取った時に全長4メートル(胴1.8メートル 足2.2メートル)、重さ130キロあったダイオウイカは塩漬け、乾燥の工程を経て全長3.7メートル、重さ6.5キロに。それでも「1匹から300人分はとれるんじゃないか」と話す。
合わせて10日間かかったという加工は「乾燥の温度がわからないから苦労した。上げすぎても腐っちゃうし、下げすぎてもなかなか乾かない。本当に手間がかかった」という。
そして笑いながら記者にこう話した。
「二度と作らない。笑」