渋谷「立てこもり」の犯人は「ジーパン探偵」 テレビにも出ていた元「正義の味方」がなぜ?

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   東京都渋谷区のマンションの一室で起こった、拳銃のようなものを持った男の立て籠り事件は、警視庁捜査1課特殊班(SIT)の捜査員の突入によって解決した。結局、拳銃のようなものはモデルガンと分かり、一件落着となったのだが、意外な犯人像が浮かび、ちょっとした注目を集めている。逮捕された容疑者は、以前「正義の味方」だったというのだ。

   容疑者は、大手探偵事務所の元代表で、テレビ番組でも「ジーパン探偵」の愛称で活躍していたちょっとした有名人だった。その番組というのはテレビ朝日で放送された「完全特捜宣言!あなたに逢いたい!」で、人探しのプロフェッショナルとして登場していた。どうしてそんな「正義の味方」が、あんな事件を起こしてしまったのだろうか。

容疑者が元代表の探偵事務所は、全国に支部を持つ大手

「ジーパン探偵」の立てこもりで騒然とする現場(15年2月7日撮影)
「ジーパン探偵」の立てこもりで騒然とする現場(15年2月7日撮影)

   公務執行妨害容疑で逮捕された男は、2015年2月7日に渋谷の新築マンションの14階の自室に立てこもり、窓からプリンターやゴルフバッグ、ウイスキーの瓶、書類などをブチ撒いて「かかってこいよ、コラァー!!!一人なんだよ、俺は!」「バカヤロー!」「返事がないんだよ!」などと叫び大暴れをした。手には拳銃のようなものを持ち、通行人を狙うような仕草も見せた。100人ともいわれる警察が出動し、マンション周辺は封鎖され、最後にはSITが男のマンションに突入し20時45分ごろに取り押さえ逮捕した。逮捕容疑は金属製のバケツなどを投げつけた公務執行妨害の疑いで、部屋の中にはモデルガン4丁などが見つかった。

   報道などによれば、男は事件の3日ほど前から「敵が攻めてくる」などと大声で叫んだり、同じマンションの人間を睨み因縁をつけるような行動があり周囲を驚かせていた。警察が出動することになったのは同じマンションにある探偵事務所からの「錯乱状態で手が付けられない」という通報で、男が元代表だった事務所内で暴れるなどしたためだ。自室に立てこもっていたのは約8時間。男は警察の取り調べに対し「覚えていない」などと話していて、15年2月8日午前の取り調べでも支離滅裂な言動を繰り返したため、同日午後の取り調べは見合わせとなった。

   いったい男はどうしてしまったのか。立てこもっている最中にウイスキーのようなものを飲む姿がカメラに写っていたが、酒の飲み過ぎがああいった行動を取らせたのだろうか。警察の調べでは薬物反応は出ていないという。

   そんな男が代表だったという探偵事務所は全国に支部を持つ大手で、ノウハウを教える「探偵塾」なども開催していて、男自身が広告塔のようなものでもあった。

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