「プチぜいたく」にお金を出しても良いという消費者
一方、ファミリーレストランは3.2%増と、3年連続で前年を上回った。来店客数は0.3%増と横ばいだが、客単価が2.9%増と伸びていることが売上高の増加に貢献した。実際、「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などを展開する最大手、すかいらーくグループの既存店売上高は2014年に前年比1.6%増えたものの、客数は1.9%減っていた。客単価が3.6%伸びて補った形だ。すかいらーくは「高単価商品の販売が好調なほか、サイドメニューやデザート、ドリンクバーの利用が増加した」としている。
ロイヤルホストも昨年(既存店ベース)は客数が3.3%減ったが、客単価が4.1%伸びたことで売上高は0.6%増とプラスになった。いすやテーブルなども高級感が出るようにしつらえ、食材にもこだわって単価を高めに設定している。3000円を超えるステーキなど強気のメニューをそろえるが、「プチぜいたく」にお金を出しても良いという消費者の支持を得ているようだ。
伸びていると言えば、焼き肉だ。2014年の売上高は8.4%増。客数(4.7%増)、客単価(3.6%増)ともにアップしている。もともと他より客単価が高いジャンルだけに、ぜいたくを楽しみたい層が足を運んでいることが数字に表れているようだ。
この動きに着目しているのが、「洋服の青山」を展開する紳士服専門店最大手の青山商事。紳士服需要が低迷するなか、経営多角化で焼き肉事業に注力しており、「焼き肉きんぐ」チェーンを今後の成長分野と位置付ける。洋服の青山店舗の余剰地の有効活用にも焼き肉きんぐを生かすといい、その動向に他の外食チェーンも神経をとがらせている。