米動画配信大手のNetflix(ネットフリックス)が2015年秋、ついに日本に上陸する。
同社は2015年1月末に掲げたグローバル戦略で、オーストラリアやニュージーランドなど、今後2年間でサービス提供国を200か国に増やす意向を明らかにしていた。日本進出もその一環で、2月4日に正式に発表。インターネットでは早くも話題になっている。
米国では、CATVを解約して同社に乗り換える動き
ネットフリックスは、一定期間に定額でいくらでもデータを購入できるサブスクリプション方式で、映画やテレビ番組をインターネットでストリーミング配信するサービスを提供する。
1997年の創業。当初はオンラインでのDVDレンタル業者としてスタートした。2007年にインターネットでのストリーミングサービスを開始。郵送の手間もなく、クリックするだけですぐに、また制限なく見たい映画が見られるのが売り。
しかも、料金は月8.99ドル(約1100円)。回線を敷設したり衛星を打ち上げたりする必要がない分、安くなっている。
米国では、CATVを解約して同社に乗り換える動きが社会現象になったほどの大人気。さらには海外進出に力を入れはじめ、現在は欧米などの約50か国・地域、5700万人の加入者を誇っている。
「使いやすさ」にもこだわり、インターネット対応テレビやパソコンをはじめ、スマートフォンやタブレット端末などで、サービスを利用できるほか、視聴履歴などのデータから加入者の好みを分析して、一人ひとりにオススメの作品を紹介する「レコメンデーション」機能の評価も高いとされる。
こうした、見たいときに見たい番組を見たい場所で視聴できるサービスが、いよいよ日本でも提供されるというわけだ。
インターネットでは、
「日本上陸が待ち遠しい」
「映画好きにはたまらないですね」
「上陸、楽しみ~」
「面白いコンテンツが見られるのであれば、1000円は安いと思う」
といった、歓迎や期待の声が寄せられている。
日本で提供されるサービスの詳細は今後、決まりしだい公表していく。
自社制作ドラマが高い評価
その一方で、
「レンタルビデオ、終了のお知らせwww」
「これで十分じゃん。テレビもつまらんもんね。そのうち誰も見なくなる」
といった声もある。
「ネットフリックス」という、米国で大人気のストリーミングメディアの日本進出で、映画やTVドラマを見る方法が大きく変わるとみているようなのだ。
その理由が、ネットフレックスの「強み」といわれるコンテンツの自社制作。同社のラインナップは、最新映画だけでなく、古い映画や世界の映画、アニメーション、テレビ番組など幅広い。加えて、人気の政治ドラマ「ハウス・オブ・カーズ」や「マルコ・ポーロ」、女性の獄中物語「オレンジは新しいブラック」は自社制作の、独自の番組。なかでも、2013年公開の「ハウス・オブ・カーズ」は、ネット配信用に制作されたドラマとしては史上初めてエミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞のベスト女優賞を受賞するという快挙を成し遂げた。
同社では引き続き、こうした自社制作の番組に力を入れる考えで、日本でも国内のテレビ番組や映画のほか、同社のオリジナルの番組もそろえるという。
「映画を観なくなった」「テレビがつまらない」という人が増えているなか、インターネットには、
「CM(スポンサー)寄りの番組づくりはいわば仕方ないこと。民放の限界だ」
「お金を出せば面白いコンテンツが見られるのであれば、そのほうが健全だと思う」
との声があるが、堀江貴文氏はホリエモン・ドットコム(2015年1月27日付)で、ネットフリックスについて、「ついにハリウッドメジャークラスの予算をネット企業が使えるようになったってこと」とコメント。
米国の投資顧問会社に勤める広瀬隆雄氏は提言型ニュースサイト「BLOGOS」(1月22日付)で、「ネットフリックスだけでなく、アマゾンも最近、TVドラマや映画の内製をはじめています。アマゾン、ネットフリックス、TV会社などを巻き込んだ、コンテンツ戦争が起きている」と指摘している。