社会保障費を削減せざるを得ないのはなぜか 2015年度予算案から見えてくる政府の懐事情

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地方交付税や文教・科学振興・防衛費などの合計はあまり変動がない

   一方、一般会計の歳出はバブル崩壊後も、景気対策の公共事業の積み増しや高齢化の進展で右肩上がりを続けた。歳出の内訳をグラフ(2)(同)で見ると、バブル期の1990年度に69.3兆円だった歳出は2000年度に89.兆円、2015年度は96.3兆円に増えた。地方交付税や文教・科学振興費・防衛関係費などの合計はあまり変動がないが、年金や医療など社会保障関係費が急増しているからだ。国債の元利払いに充てる国債費もかさんでいる。

   とりわけ、高齢者の増加とともに増える社会保障関係費の増加は著しい。1987年度に10兆円台に乗った後、2005年度に20兆円、2014年度に30兆円の大台を突破した。予算編成に当たる財務省は「日本人の平均寿命が伸びるのはうれしいことだが、年金や医療費の支出が増えるのは国家にとっては負担となる。必要な支出をすべて賄えれば理想的だが、なかなかそうはいかないので、予算を絞り込まざるを得ない」と漏らす。放っておけば、高齢者の増加で増え続ける一方の社会保障関係費にカンナをかけ、少しでもムダな予算は削減せざるを得ないというのだ。政府はこれを「歳出の効率化」と呼んでいる。

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