作家の村上春樹さん(66)が読者の質問に答える期間限定サイト「村上さんのところ」の中で、ある芸能人について知らないと告白したことがちょっとした話題になっている。
2015年2月1日、村上さんは読者からの質問を受けて「出川哲朗さんという方のことは、失礼ながら存じ上げません」と回答した。
「ちなみにAKBなんとかさんも見たことがありません」
この読者は「村上さんはヤクルト・スワローズのファンクラブの名誉会員ですが、他の名誉会員である出川哲朗さん、さだまさしさんと神宮球場で、あるいは他の場所でお会いしたことはありますか?」と質問した。
かねてからヤクルトファンだった村上さんがファンクラブ「Swallows Crew」の名誉会員に就任したのは2013年9月のこと。出川哲朗さん(50)は2012年11月に、さだまさしさん(62)は2014年11月にそれぞれ就任している。
出川さんは今年で芸歴30年、「リアクション芸人」の代名詞としてお茶の間での知名度も高い。それだけに読者は知っていることを前提で質問したのだろう。ところが村上さんの回答は「失礼ながら存じ上げません」という意外なものだった。
村上さんは「僕はテレビをほぼ見ないので」「すみません。ほんとに世の中のことに不案内なので」と申し訳なさそうに事情を説明し、「ちなみにAKBなんとかさんも見たことがありません」とも明かした。なお、さださんについては特に触れていなかった。
予想外の回答にネット上がざわついた。
「ご存知ないそうですww」
「まあ、出川なら知る必要も...ないか」
「さだまさしは徹底的にスルーしてて笑える」
「小説家が浮き世離れしてちゃまずいやろ」
などとさまざまな声が寄せられた。
ノーベル賞騒ぎは「わりに迷惑です」
「村上さんのところ」は新潮社が1月15日に立ち上げた交流サイトで、31日までに3万通以上のメールが寄せられたという。
回答では、アダルトビデオについて「僕は正直いって、あまり見ないですが(ヴァーチャルなものよりも実践を好みますので)」と明かしたり、ノーベル賞候補として毎年騒がれることに「正直なところ、わりに迷惑です」「競馬じゃあるまいし」と不満を露わにしたりと、普段なかなか聞くことができない村上さんの「本音」が話題を呼んでいる。
相談にも真摯に向き合う。カフェ店員に連絡先を渡すも音沙汰なく「失恋した」と嘆く35歳の男性には「そんなのは失恋とも呼べません。その前の段階です。もう35歳でしょう。しっかりしてください」と言って、尻を叩く。
病気のために思うように仕事ができない38歳女性が「安倍さんの言うように、女性は輝かないといけないのか」と聞けば、「僕のまわりの『輝いている』女性たちはみんな、安倍さんに向かって『おまえなんかに、いちいち輝けと言われたくないよ』と言ってます」「とくに輝かなくてもいいから、女性が普通に、公平に働ける社会があればいいんです」などと語りかけた。
回答は現在も更新されており、「村上さんにおりいって質問・相談したいこと」には2月2日時点で350件のコメントが公開されている。