倒産の小型化に拍車
一方、気になる現象も起きている。民主党政権時代の2011年から2012年にかけ1ドル=75円台まで進んだ円高が、アベノミクスで1ドル=120円前後まで戻った円安の影響で、中小企業を中心に円安が要因とみられる「円安関連倒産」が345件と、前年(130件)の2.7倍に急増していることだ。
上場企業の大型倒産(負債総額100億円以上)が減った半面、負債総額が5000万円未満の小規模倒産が5069件と目立つのも懸念材料だ。小規模倒産の件数そのものは前年(5619件)を下回ったものの、倒産件数の全体に占める割合は過半数を超え、過去10年で最悪となっている。帝国データバンクは「大型倒産は金融機関による支援や事業再生ADRの活用などで抑制が続くが、倒産の小型化に拍車がかかっている」とみている。
果たして2015年も上場企業の倒産ゼロが続き、倒産件数、負債総額とも改善するのか?アベノミクスの真価が問われる1年となるのは間違いない。