ビール類出荷が10年連続で減っている もはや「とりあえず一杯」は過去のものか

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従来ブランドの派生商品を発売

   それでは2015年に各社はどのような手を打ってばん回を図るのか。

   キリンホールディングス(HD)昨年末、今年3月に社長が磯崎功典氏に交代することを発表し、体制を一新して臨む。事業会社と持ち株会社の間に設けた中間持ち株会社「キリン」の運営を見直し、キリンHDの執行役員がキリンの執行役員を兼務。風通しをよくして機動力を高め、意志決定をスピードアップする。

   大手4社に共通するのは、ビールを重視する点だ。格安商品として消費者をつなぎ止めてきた第3のビールの勢いに陰りが見える一方、酒税改正でビールが減税される可能性が浮上していることも後押しする。

   具体的には、完全な新商品ではなく、消費者に親しまれてきた従来ブランドの「派生商品」の発売が目立つ。アサヒは3月までに「超辛口」を掲げる「スーパードライ エクストラシャープ」など、主力の「スーパードライ」を冠した派生3商品を投入する。キリンも「一番搾り」の派生商品の発売を計画。サントリーは「ザ・プレミアム・モルツ」の派生商品としてこれまでより約2割高価なビールを発売する。一方、サッポロは「黒ラベル」自体の中身を改良する。

   従来からあるビールのブランドを活用する、あるいは磨くことでビール復活にかける大手4社。少子高齢化、若者のビール離れなどの逆風にあらがえるかどうか、勝負の1年が始まった。

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