音楽配信サービスにメス入れたソニー 「Spotify」と提携も日本では開始未定

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デジタルイメージングやゲーム事業へさらに集中か

   自力での配信という路線を捨ててスポティファイに頼るソニーの思惑は何だろうか。前出のWSJの記事では、ソニー・コンピュータエンタテインメントの社長アンドリュー・ハウス氏が、「音楽配信サービスよりもビデオゲーム機など『(ソニーが)絶大な専門性を持つサービスに集中』するのが望ましいとの判断がその背景にあった」と話したという。

   ITジャーナリストの本田雅一氏は1月29日付「東洋経済オンライン」で、ソニーの平井一夫社長が過去1年で選択と集中を進め、この半年はイメージセンサーや信号処理技術、レンズといった「デジタルイメージング」事業と、ゲーム事業へと集中しようとしているように見えると述べた。

   さらに「今回の発表は音楽配信サービスの事業提携とブランド再編でしかないようにもみえるが、昨今のネットワークサービスとハードウエアは、一体化した戦略が求められる」と指摘した。デジタル音楽を楽しむ主要ツールであるスマホの事業に、何らかの影響が及ぶのだろうか。

   約1年前の2014年2月6日、平井社長は決算説明会で「スマホとタブレットを中心としたモバイル事業に集中する」と話した。ところが、けん引役となるはずのスマホは中国の新興メーカーの台頭で苦戦を強いられ、2014年10月には1000人の人員削減、続いて15年1月28日には「さらに1000人の追加削減」と複数のメディアが報じた。日本経済新聞電子版によると、人員は現状の3割減になるという。

   今回の音楽配信事業の「方針転換」で、本来はビジネスの中核を担うはずだったスマホ事業にもさらなるメスが入らないとも限らない。

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