「良好な職場の人間関係」が大事、韓国人30% 日本人は55%
とはいえ、職場での人間関係に気を遣っているサラリーマンの姿は、日本でも同じようなものだろう。韓国Careerのアンケート結果を受けて、韓国のインターネットユーザーが寄せたコメントに、
「職場はまるで軍隊のようだ。上下関係に厳しく、残業や飲み会は強制。誰だって病気になる」
とあったが、こんな声は日本でも聞こえてきそうだ。
リクルートワークス研究所の「アジアで『働く』を解析する 2013」によると、「仕事をするうえで大切だと思うこと」との問いに、「良好な職場の人間関係」をあげた韓国人は約30%。日本人はそれを上回る55%を占めていた。米国や中国、他のアジア諸国(いずれも、20%程度)と違い、日本人や韓国人がいかに職場で神経をすり減らしているかがわかる。
残業、残業で仕事に追いまくられ、睡眠不足になったり、うつを発症したりするケースは日本でも少なくない。最近は「パワーハラスメント」(パワハラ)と呼ばれる、「職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える」行為も目立ってきた。
厚生労働省によると、労災請求件数でみた過労死(脳・心臓疾患)は1999年の493件から2012年には842件に、過労自殺(精神障害)は155件から1257件に急増している。過労死は50代、60代に多く、過労自殺は働き盛りの30代で特に多いという。
韓国でも、自殺は20歳~30歳の死因の上位であり、その原因に就職難や、低賃金や失業による生活困窮があるとされる。火病と自殺との因果関係は定かでないが、職場でのさまざまな不満が鬱積して火病を発症したり、自殺に走ったりする人が少なからずいることは想像できる。