キムタクCMも力及ばず タマホームが業績予想を大幅下方修正 住宅市場の先行きは...

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   SMAPの木村拓哉さんが「Happy Life Happy Home TAMA HOME」と口ずさむテレビCMでおなじみの住宅メーカー、タマホームの業績がさえない。

   住宅メーカーは2014年4月の消費増税に伴う駆け込み需要の反動に苦しんでいる。同社も例外でなく、13年3月に東京証券取引所市場第1部に上場したときの勢いは薄らいでいるようだ。

株価もサッパリ、上場来安値の523円

タマホームも苦戦、住宅市場は縮小する一方なのか?(画像は、イメージ)
タマホームも苦戦、住宅市場は縮小する一方なのか?(画像は、イメージ)

   タマホームが2015年5月期の業績予想を下方修正した。売上高を従来予想の1649億円から1492億7600万円(前期比11.9%減)へ、営業利益を46億円から22億6900万円(同50.4%減)、純利益を16億円から3900万円に引き下げた。純利益はじつに前期比97.7%減と、大きく減らした。

   主力の住宅事業で、14年4月に実施された消費増税前の駆け込み需要の反動減が想定以上に長期化したことに加えて、消費税率10%への再増税の延期が決定したことで、この下期に見込んでいた駆け込み需要が発生しなくなり、当初の販売見通しの達成が難しくなった。

   同社は、「売上総利益率についてはほぼ計画通りでしたが、売上高が業績予想を下回ったことで、営業利益、経常利益、当期純利益についても前回予想を下回る見通しとなりました」としている。

   また、業績予想の下方修正に伴い、20円を予定していた期末一括配当を10円(前期末は26円)に減額した。

   ちなみに、1月14日にあわせて発表した第2四半期(14年6~11月期)の連結決算は、売上高が669億6600万円(前年同期比8.5%減)、営業損益15億2000万円の赤字(前年同期2800万円の黒字)、最終損益は14億3500万円の赤字(2億6400万円の赤字)だった。

   「よりよい物をより安く」をモットーに、これまで事業を急拡大してきたタマホームだが、株価もサッパリ。業績予想の下方修正を発表した翌日の1月15日には、上場来安値の523円を付けるなど、低迷している。28日も終値で前日比6円安の534円。アベノミクスで沸く株式市場にあって、「蚊帳の外」といった感じで、公募価格の980円を上回るにはまだ時間がかかるかもしれない。

住宅ローン減税、「すまい給付金」は効果がない?

   タマホームを含め、住宅メーカーが苦戦している最大の要因は、消費増税に伴う駆け込み需要の反動減にあるようだ。

   国土交通省の2014年11月の住宅着工統計によると、持家(注文住宅)の着工は14年2月から9か月連続で、前年同月比で減少。しかも、7月以降は2ケタ減が続いている。

   政府は反動減を抑えるため、住宅ローン減税の拡充や、住宅を購入する人に最大30万円を支給する「すまい給付金」を用意。また、地価の上昇や住宅ローン金利の低下、景気の回復ムードなど、消費意欲をかき立てるような「条件」がないわけではないが、一方で最近の建材費や人件費の高騰で住宅価格は上昇してきた。

   どうやら、住宅ローン減税や30万円の給付金では、消費者の動機付けには不十分ということらしい。

   国交省は、「事業者からのヒアリングでは、依然として慎重に検討しているお客が多いとの見方がある一方で、展示場への来場者数では回復傾向がみられる。これらを踏まえて、住宅着工については今後の動向をしっかり注視したい」としている。

   住宅市場が好転しない理由はまだある。野村総合研究所は「2015年の住宅市場」で、人口がすでに減少局面にある中で「世帯数も2019年をピークに減少に転じる」と指摘。それに伴い、新設住宅着工戸数も「ここ数年は年間90万戸で推移するが、その後は漸減して、2025年には62万戸にまで減る」とみている。市場規模の縮小に、歯止めはかかるのだろうか。

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