石炭採掘、北海道の燃料販売会社が37年ぶりに新規参入 原発停止で発電向けの需要見込む

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原発停止が「追い風」に

   一方、石炭火力発電の需要は全国的に高まっている。資源エネルギー庁の「日本のエネルギー 2014」によると、「電力の供給は海外からの化石燃料に頼っており、その依存度は過去最高の水準にある」という。

   東日本大震災前の2010年度は海外からの化石燃料の依存度は62%。電力の燃料構成で、海外からの輸入炭は24.6%を占めていた(国内炭は0.4%、石炭全体で25.0%)。それが2013年度には海外からの化石燃料の依存度は88%に上昇。石炭の割合も30.3%に上昇したが、そのほぼすべてを海外炭でまかなっている状況にある。

   背景にあるのは、2011年3月の東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所の事故以降の原子力発電所の稼働停止だ。北海道電力の泊原発も例外でなく、再稼働の見通しは立っていない。

   加えて、原発停止に伴う火力発電への依存度の高まりと、輸入原油や海外炭のコストの高止まりもある。「安い電気料金」が求められるなか、国産炭は原油や海外炭に比べて割安感が出てきたため、注目度が増しているわけだ。

   北海道経済産業局によると、道内には現在、国内唯一の坑内掘り炭鉱の「釧路コールマイン」と7か所の露天掘り炭鉱があって、釧路コールマインは年間約50万トンを生産。露天掘り炭鉱の生産量は7社で約70万トン。あわせて年間120万トンの石炭が生産されており、そのほとんどが火力発電に使われているという。

   札幌第一興産にとって原発停止はいわば「追い風」だが、同社は「申請準備に5年もかけてきました」と、原発事故以前に採炭事業への参入を決めたと明かす。

   北海道経済産業局は「震災以降、数字のうえでは目に見えて増えているわけではありませんが、現場では休日返上で採掘にあたっており、増産体制にあります」と話している。

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