イオン、牛肉やワインの値下げセール 日豪EPA効果、円安を超えられるか

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   日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)の発効を受け、関税が下がる豪州産牛肉を扱う小売り各社が値下げに動き出している。低迷を続ける消費を上向かせるきっかけにしたいという狙いが強そうだ。

   ただ、急速に進む円安などで輸入品の価格は上昇傾向にあり、日豪EPAの効果を消費増につなげるには課題も大きい。

豪州に直営牧場

オージービーフも安くなる!(画像はイメージ)
オージービーフも安くなる!(画像はイメージ)

   「日豪EPA発効 イオン直営牧場で育てたタスマニアビーフがお求めやすくなりました」――。流通大手のイオンは自社のメリットを大々的にアピールし、日豪EPAが発効した2015年1月15日から4日間にわたり、全国のイオンやダイエーなど計約1200店で豪州産牛肉などの値下げフェアに乗り出した。ステーキ用なら約10%の値下げだ。

   イオンは豪州に牛肉の直営牧場を持っており、「日豪EPA発効による関税引き下げ分を顧客に還元したい」とする。EPAが発効しても、関税が安い肉が入荷するには相当のタイムラグがあり、今回の値下げはパフォーマンスではあるが、今後も顧客への還元を十分行う、という姿勢をアピールした形だ。買い物客も「値下げ」のPRに引きつけられ、積極的に豪州産牛肉を求める姿が目立った。

   日豪EPAで最も注目が集まった牛肉関税は完全に撤廃とはならないものの、まず、冷蔵肉が38.5%から32.5%に、冷凍肉が30.5%にそれぞれ引き下げられる。さらに段階的に引き下げが進み、冷蔵肉は15年目に23.5%、冷凍肉は18年目に19.5%になる。

   段階的に引き下げが進むため、「今後、多くの小売店で牛肉値下げの動きが相次ぎ、値下げ機運は高まっていくだろう」(流通関係者)との見方は強い。小売業界は、昨年4月の消費増税を機にした消費低迷に苦しんでおり、「日豪EPAが、消費者の財布のひもが緩む契機になってほしい」(同)との期待を高めている。

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