ヨルダンもパイロットがイスラム国に拘束されている
今回の場合、釈放を求めるリシャウィ死刑囚は日本が身柄を押さえているわけではない。あくまでもヨルダンの判断に任されることとなる。菅義偉官房長官は1月25日の記者会見で、「ヨルダンをはじめ各国に協力を得ながら、さまざまなチャンネルやルートを生かして全力を尽くしている」と述べた。協力要請の中身は不明だが、リシャウィ死刑囚の取り扱いについても協議されているだろう。
ただ2014年12月には、ヨルダン軍のパイロットがイスラム国に拘束されている。リシャウィ死刑囚の釈放を、このパイロット解放のカードに使うべきだとの声も、ヨルダンの中で出ているようだ。
日本人がイスラム過激派に拘束され、その後解放された例としては2004年4月、イラクでの事件が思い出される。日本人3人を人質とした武装グループが日本政府に、当時イラクに派遣されていた自衛隊の撤退を要求。小泉純一郎首相(当時)がこれを拒否したうえで、イスラム教スンニ派の宗教指導者に仲介を要請した。最終的にこれが奏功したとされ、3人は無事帰国した。