1月は「ハグ」推奨月間?
ハグの効果はほかにもある。2013年にウイーン医科大学が発表した研究報告によると、愛する人に抱きしめられると脳下垂体から「オキシトシン」というホルモンが分泌され、ストレスや不安の軽減だけでなく、血圧を下げたり、記憶力を高めたりする効果も見られたという。2014年、米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが年老いたマウスにオキシトシンを注射したところ、筋肉の回復能力が再生したという研究結果が発表され、ハグにはアンチエイジング効果も期待されている。
米国では1月21日を「National Hug Day」としている。公的な祝日ではないが、30年ほど前に「もっと家族や友人を抱きしめよう!」という趣旨で設定されたそうだ。日本でも、1月31日は日本愛妻家協会が定めた「愛妻の日」だ。同協会のウェブサイトでは、全国の夫婦に向けて同日の午後8時9分(ハグ)に、一斉にハグをして「世の中を一瞬明るくしよう」と呼びかけている。
1月は「ハグ推奨月間」ということにして、大切な人を抱きしめ、風邪やストレスから守ってあげよう。ただし親しくない相手に抱きしめられると、かえってストレスが増すという報告もあるので注意が必要だ。合意の上であることを確かめてからにしよう。
[アンチエイジング医師団 取材TEAM/監修:山田秀和 近畿大学医学部 奈良病院皮膚科教授、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長]
参考論文
Does Hugging Provide Stress-Buffering Social Support? A Study of Susceptibility to Upper Respiratory Infection and Illness
DOI:10.1177/0956797614559284
アンチエイジング医師団
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