「日本は米国と競いながら、間違いなくトップ集団を引っ張っている」
人工光合成はエタノールなど炭素を含む燃料だけでなく、水から水素も生成する。大きな化学プラントで石油や天然ガスから作っている水素を、もっと簡略な装置で生み出せるようになれば、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)の普及促進、また水素発電などを含む「水素社会」への道が大きく開けるという意味でも注目される。
実用化のポイントになるエネルギーの変換効率は、現状では最高でも、先の東芝が開発したシステムの「1.5%」程度とされる。商業ベースに乗るには、触媒などの材料のコストダウンなどとともに、変換効率を10%程度に高める必要があるとされる。
エネルギー問題を解決し、地球温暖化も防ぐ人工光合成。「日本は米国と競いながら、間違いなくトップ集団を引っ張って いる」(経産省筋)だけに、実用化に向け、引き続き官民を挙げた取り組みが必要だ。