ゼンショー広報「無理やりやれば元の木阿弥」
「すき家」の問題に深くかかわってきた若者のための労働組合「首都圏青年ユニオン」に聞いてみたところ、労働環境を改善するための第三者委員会ができてからゼンショーは真面目に問題クリアに取り組んできたことは認める、としたうえで、
「これまでの労働環境が悪すぎたため、今後も会社の方針を信じ、それを必至になって実現しようとする従業員がどれくらいいるのか、ということですね。ブラック企業とレッテルが付いて以降、新たに働くことに躊躇している、という点もあります。あまり拙速に事を運び過ぎれば1年後とかにまた最悪の状況になる、ということも考えられるわけです」
と厳しい。
ゼンショーHD広報によれば、深夜営業をしていない店舗は14年10月1日時点で1254店舗だったが、14年12月末で903店舗に減った。15年3月末までにこれを約500店舗とし、6月末までにすべての店舗を深夜営業させる目標を立てている、と語った。可能になったのはまず労働環境の改善で、過重労働ができない仕組みを作ったという。明確な店舗責任者を置き、従業員のシフトを日々確認することで過重労働を未然に防ぐという。従業員確保面では、14年6月に各地域への密着を狙いとした7つの店舗運営会社作ったことが効果を発揮し、地元で社員や従業員を募集し、人が集まるようになってきた。
「全店深夜営業復活というのはあくまで目標なんです。働いている従業員の声をきちんと聴き大切にし、店舗の実情を見ながら可能なものから進めていきます。無理やりやろうとすれば元の木阿弥になってしまいますから」
ゼンショーHD広報はこう話している。