後藤さん母、特派員協会で解放訴える 「健二は幼い頃から心の優しい子でした」

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   イスラム国が日本人2人の身代金の支払期限にしていた「72時間」が迫るなか、ジャーナリストの後藤健二さん(47)の母親、石堂順子さん(78)が2015年1月23日午前、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、「健二はイスラム国の敵ではありません」などと解放を訴えた。

   あわせて、イスラム関係の子どもを自宅で教育するという独自のアイディアも披露した。

「3日間、ただただ、悲しくて、泣いていました」

日本外国特派員協会で会見する後藤健二さん(47)の母親、石堂順子さん(78)
日本外国特派員協会で会見する後藤健二さん(47)の母親、石堂順子さん(78)

   日本政府は、この「72時間」の期限は23日の14時50分頃だとみている。会見に先立って配布された声明で、石堂さんは、

「私はこの3日間、ただただ、悲しくて、泣いていました。表現できません。健二は幼い頃から心の優しい子でした」
「イスラム国の皆さん、健二はイスラム国の敵ではありません。解放してください」
「あと残された時間はわずかです。日本政府の皆さん、健二の命を救ってください」

などと訴えた。

   後藤さんが拘束されて以降、イスラム国側が後藤さんの妻に身代金を要求するメールを送りつけていたことが明らかになっている。ただ、後藤さんは、シリア行きも石堂さんに伝えていなかった。

   そして妻と初めて電話で話したことにも触れ、

「赤ちゃんを産んで、まだ2週間にもなっていないということ。私は健二に憤りを感じた。なぜ、そんな乳飲み子を残しながら行くのか、ということ。『友達が、友人が...』と言っても、2週間しか経っていない子どもを守ってあげるのは親しかいないではないか」

と話した。

   石堂さんはこのように述べ、後藤さんがシリアに渡った時点で生後2週間の子どもがいたことを明かした。

唐突に原子力の問題を訴える

   会見では、石堂さんは終始独自の主張を披露した。後藤さんの拘束問題とどのように関係するかは不明だが、「私は不思議でならないことがある」として挙げたのが原子力の話題で、原子力を平和的に活用すべきだと訴えた。

   また、石堂さんは「イスラム国」と「イスラム諸国」を同じだと理解している様子で、イスラム関係の子どもを招待したい考えだ。

「もし、イスラムのお子さんが日本で勉強したいとか、そのような方がいらっしゃったら、私が全力をもってお守りする。私のうちで、しっかりお勉強していただくことをお約束する」

   石堂さんによると、日本政府からは特段の連絡はないといい、

「地球のために力をあわせて頑張ります!」

と言い残して会見場を後にした。

   会見を主催した特派員協会の神保哲生さんによると、動画がアップロードされた1月20日に石堂さん側から「『息子を救ってほしい』と世界に伝えたい」などとして会見の申し入れがあった。会見の直前になって、後藤さんの兄を名乗る人物から会見を中止するように特派員協会に電話があったが、すでに特派員協会に到着していた石堂さんが電話に出て、電話を切ったという。

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