NHKのニュース番組「ニュースウオッチ9」の大越健介キャスター(53)に降板報道が出ている。同局の「夜の顔」として2010年春からメーンを務めてきたが、2015年3月いっぱいで交代するというのだ。
さらに日刊ゲンダイと週刊新潮は、その背景に官邸の「意向」があると指摘している。
「キャスター交代は定期路線」という報道も
大越さんは東大野球部でエースとして活躍。NHK入局後は政治部に16年間在籍後、米ワシントン特派員、支局長などを経て、10年3月にニュースウオッチのキャスターとなった。番組中で述べる見解が物議を醸すこともあるが、落ち着いた進行や淡々とした語り口にはファンも多い。
そんな大越さんの「降板話」をいち早く報じたのは1月21日付けの日刊ゲンダイと22日発売の週刊新潮だった。それも単なる降板ではなく、官邸の意向が働いた上での「更迭」という。両メディアの情報源は「NHK関係者」。どちらも、大越さんの原発再稼働に対する「後ろ向きな発言」を官邸が快く思っていなかったと指摘している。
週刊新潮は、大越さんが14年2月に福島第一原発を訪れた際の発言などを紹介しながら「影響力のある番組だから、官邸はこれを嫌気し、NHKに水面下で交代を求めたという」などと伝えている。
日刊ゲンダイは、大越さんがブログに書いた「(福島原発事故は)原子力の安全神話を崩壊させ、技術への過信に大きな警鐘を鳴らした」などの発言を紹介。その上で「そこに難色を示す安倍官邸の意向が、籾井勝人会長を通じ局内に伝わっていて、去年から大越さんの交代が検討されていました」という関係者コメントを掲載している。
一方、「官邸の意向」の影響という見方に23日付の夕刊フジは否定的だ。記事では「キャスター交代は既定路線で検討されています」「次期政治部長とも目されています」というNHK関係者のコメントや、「局内には籾井会長への反発やしこりもいまだに多いと聞きます。さらに反原発勢力を含めて、看板番組のキャスター降板を口実として利用している可能性も否定できない」という芸能メディア記者のコメントを紹介している。