「テロリストの要求のまないことと、交渉のパイプを持たないことは全く別」
日本政府が総額2億ドルの支援を人道目的だと説明していることについても、シリアからの難民の半数以上がトルコにいることを挙げながら、
「トルコを最優先にすべきであって、(支援対象から)トルコが外れているところで『難民支援、人道支援』と言っても通用しないと思われる」
と指摘した。
その上で、
「テロリストの要求をのむ必要はもちろんないが、そのことと交渉のパイプを持たないことは全く別のことだと思う」
とも主張。赤新月社がイスラム国の支援地域でも人道支援活動を行っていることから、イスラム国が要求している金額を、トルコに仲介役にしながら赤新月社に難民支援、人道支援目的に限定して拠出することを提案し、
「これが一番合理的で、どちらの側にも受け入れられる、ギリギリの選択ではないかと考えている」
だとした。
カメラを前に、イスラム国への呼びかけも行った。日本語とアラビア語で(1)日本の政府に対してイスラム国が考えていることを説明し、こちらから新たな提案を行いたいと思う。しかし、72時間はそれをするには短すぎる。もう少し待ってほしい(2)もし交渉ができるのであれば、私自身、イスラム国に行く用意がある、などと説明。1月17日にイスラム国が350人のヤズィーディー派の人質を人道目的で解放したことに触れながら、
「そのことは高く評価できる。印象も良くなっている。日本人を釈放することがイスラムおよびイスラム国のイメージをよくするし、私もそれを望んでいる。日本にいるすべてのムスリム(イスラム教徒)も、それを望んでいるはず」
と訴えた。
菅義偉官房長官は1月22日の会見で、中田氏らが問題解決に向けた支援を申し出ていることについて、
「日本としては人命救助のために、ありとあらゆる可能性をさぐっているところ」
と話した。